作品
久留米生まれの逸子はダンスホールの華だが、結婚を機に運命が暗転。ロングセラー『ファザーファッカー』を母視点で綴る痛切な小説。
夫を山へ行かせたくない妻が登山靴を隠した結末は。冒頭「山靴」からラスト表題作まで、切れ味よく人間の業を描く傑作ミステリー集。
小説誌編集者・田川美希は本にまつわる謎にてんてこ舞いの日々だ。知恵袋のお父さんが体調を崩すが、病床でも推理の冴えは衰えない。
6人の子の母、医師夫人として、田園に暮らす日々の安らぎ、わが子が育つ喜びと淡い悲しみ。大家族の愛の物語。530項目の訳註付。
〈猫は一生に一度、人間の言葉を話す⁉〉〈姉から預かった猫が私の人生観を変えて…〉愛しくもミステリアスな猫が大活躍の七編。
弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から「ある男」についての奇妙な相談を受ける。人間存在の根源に迫る、読売文学賞受賞作!
誰かが私に囁いたのだ――おまえの兄はフテキカクシャだと。戦前から二世代にわたる大家族の物語は、この国の未来を照射する。
失踪した父と同時に消えた自転車の行方を追う「ぼく」。台湾から戦時下の東南アジアへ、時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。
パートナーなしの妊娠、出産を目指す夏子。生命の意味をめぐる問いを、切ない詩情と泣き笑いに満ちた極上の筆致で描く至高の文学。
南仏のリゾートホテルを舞台にした短編小説。ミステリと恋愛がミックスされた著者円熟期の傑作が文春文庫で読めるようになります。
美しく驕慢な女に無条件でひれふす男達の姿は宗教的法悦境にあるかのよう。絢爛な文体と鮮やかな風俗描写、小説の神髄に酔いしれる。
旅と酒の歌人牧水は恋の歌人でもあった。若き日を捧げた女性との出会い、疑惑、別れを秀歌を交えて描いたスリリングな評伝。
「あなたは誰?」息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。ふたりには、忘れることのできない“事件”があった──。
都心のビルの屋上で捕鯨船の砲手だった老人の遺体が発見される。その背景にあった花柳界の女たちの悲哀。伊集院文学の真骨頂。
カメラマンの恋人を繋ぎとめるため、ロケ先のホテルのベッドで写真を撮らせるスタイリスト(表題作)。女のくすぶる性を描く短篇集。
一見幸せそうに見える恋人たちにも、ふとした瞬間に訪れる微かな違和感や、不信感。「角田光代の隠れた傑作」といわれる恋愛短篇集。
殺されたOL、暴力を振るった大学生、後をつけた土木作業員、自首を止めた店員、残された家族…それぞれの想いが絡み合う傑作長編。
容姿や年齢、結婚、セックス、お金とプライド…本音の見えづらい関心事を正しい姿という共通のモチーフで鮮やかに切り取る短編集。
安楽死が合法化された現代日本で、平成くんは死ぬことを選んだ――平成という時代と、現代を生き、死ぬことの意味を問い直す意欲作。
三十代前半独身、声優になる夢に破れた未來は、祖母が生まれた台湾へ渡り、ひと癖もふた癖もある台湾の人たちと祖母の故郷を目指す。
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