今号は新連載が一作。藤沢周さんの「あじゃりあじゃらか」は人間の奥底に眠っている欲望のあり様を問う、鮮烈なる官能の物語。奥多摩の谷戸にある寺院に雇われ、平凡な日々を過ごしていた寺男が境内で出会った謎の美女の知られざる秘密とは―。短篇には篠原勝之さんの「戯れの魔王」。舞踏の親玉マロに誘われて、いきなり踊りの舞台に出演することになった後期高齢者であるオレのとびきり愉快な彷徨。『骨風』で泉鏡花文学賞を受賞した鉄のゲージツ家・クマさんの待望の最新作です。伊吹有喜さん、倉知淳さん、小林泰三さんの連載は今号で終了です。
別冊文藝春秋(通巻335号/2018年5月号)
◆新連載◆
藤沢周「あじゃりあじゃらか」
◆短篇◆
篠原勝之「戯れの魔王」
◆連載小説◆
門井慶喜「空を拓く」
中島京子「夢見る帝国図書館」
青山文平「跳ぶ男」
千早茜「神様の暇つぶし」
本城雅人「崩壊の森」
葉真中顕「セルロイド」
中路啓太「ゴー・ホーム・クイックリー」
知念実希人「レフトハンド・ブラザーフッド」
深緑野分「スタッフロール」
谷瑞恵「まよなかの青空」
柴田よしき「高原カフェ日誌2」
夢枕獏「ダライ・ラマの密使」
◆連載終了◆
伊吹有喜「ホームスパン」
倉知淳「ドッペルゲンガーの銃」
小林泰三「代表取締役アイドル」
◆エッセイ・フォトエッセイ◆
北尾トロ「今晩泊めてくれないか――東京ヤドカリ漂流記」
武田花「ポップス大作戦」
◆漫画◆
久世番子「よちよち文藝部」
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