『私たちはたしかに光ってたんだ』(金子 玲介)

 高校生時代に組んだ4人組バンド〈さなぎいぬ〉の成長とその10年後の現在を、“元メンバー”の視点から描いた青春小説『私たちはたしかに光ってたんだ』。『死んだ山田と教室』でデビューし、本屋大賞にもノミネートされた新鋭・金子玲介さんによる話題作です。

 書店員のみなさんが本作に寄せた応援コメントをご紹介します。(全5回中の5回め)


ただ夢中で駆け抜けたあの時と、あれが青春だったと気付いてしまった現在の二つの思いに心臓が貫かれる。余生なんて言うな。光ってた、なんて過去形で言うな。その光が未来だって照らし出している。
書泉ブックタワー 山田麻紀子さん

光りつづけていてほしいと思える大切な友だちがいること。それだけでいい。泣ける。
喜久屋書店小樽店 渡邊裕子​さん

インディーズの頃に出逢い、メジャーデビューを経て遂に今日武道館LIVEを迎える彼等に会う。そんな新幹線の中でこの本を読み始めたのはある種の行幸かもしれない。
特に際立った個性も趣味もない彼女が朝顔に出会い、朝顔が目指す未来を共に歩いていく。それだけで良かった。それだけが生きる支えだった。梯子を外したのは自分。朝顔の夢見た舞台を失いたくないから。
誰にも言わない。誰にも言えない。墓場まで持って行くという誓いを抱えて。
『光』には影が射す。その眩しさの分だけ影も深くなる。いつの日か笑って話せるといいな。みんなブチ切れまくるだろうけど、でもそんな感情さえも曲に替えてくれる、そんな日が来るといいな。
初めての武道館に立ち、感謝を伝えるたびに溢れ出る涙を堪える彼等の姿に、負けないくらい涙した私にこの物語は突き刺さった。
青春まっただ中の方にも、かつて若者で、光り輝いた青春時代を過ごした方にも是非読んで頂きたい一冊だなと感じました。
紀伊國屋書店名古屋空港店 山崎蓮代​さん

平成一桁ガチババァ、身に覚えのある青春過ぎて爆泣き。出てくる音楽全部が世代。私は軽音部ではなかったけど、あの頃はガールズバンドみんなチャットモンチーやってた。シャングリラの歌詞がほぼ全文掲載されていておどろいた。小説ってこんなことも出来るんだ。過去と現在を行ったり来たりする構成は、もしかしたら悲しい話なのかもしれないと身構えたが、人生における希望、光が清々しく、まっすぐ書かれていて、少しの切なさはあったけれど素晴らしい読後感だった。瑞葉が朝顔を妬むのではなく、心からずっと応援していることが、この物語の良さを全面的に後押ししている。出てくる人全員良いやつ。
くまざわ書店守口店 山中津加紗さん

学生時代のバンド活動が本当にキラキラしていて、自分も人生で一度はあんなに光ってみたいと思いました。私も朝顔ちゃんの作る曲を聞いてみたいです。
くまざわ書店阿倍野店 小出さん

タイトル『私たち(・・)はたしかに光ってたんだ』。『私は』ではなく『私たちは』。読後その意味が分かると胸が苦しくて、でもどこか懐かしいようなすがすがしい気持ちにもなる。『死んだ山田と教室』では男子高生らしいノリを描いた著者とはびっくり! 女子高生、そして女の気持ちも分かるなんて。この先どんな作品を書くのか楽しみで仕方がない。私も「さなぎいぬ」のファンになってしまいました。
匿名希望

おじさんもすっかり青春を思い出しました。文章で音楽、サウンドが降って来るのを初めて感じました。さなぎいぬ、是非応援したいです。10年後、20年後の後日譚が読みたいです。
アミーゴ書店都島店 角雅裕さん

私もこんな学生生活を送ってみたかった……っ! 大人になってからパッとしない日々が続いても、このキラキラした思い出がずっと支えてくれる。そんな気がしました。
くまざわ書店小倉店 田中温日さん

読了して大きく深呼吸をした。「絶対に武道館でLiveをするようなバンドでデビューしてやるんだ!!」と分不相応な夢を託した20代の記憶を、ねこじゃらしで撫でられる様な感覚に襲われたからだ。「バンド」という船に乗り込み、叫びたくなる程嬉しかった事、すべて投げ出したくなる程悲しかった事が次々と思い起こされた。瑞葉の気持ち、痛いほど分かる。僕のレスポールもそう言ってる気がする……。
明屋書店下関長府店 南隆大さん

10代の時に結成した4人組バンド「さなぎいぬ」。ページをめくる度にメンバー達のきらめきを感じ、ドキドキとワクワクに包まれていく高揚感が止まりません。今まで知らなかった初めての扉が開かれていく様子に、私の心もはずみました。そして、紅白出場という大きな夢を掲げ一直線に突き進んでいく様子に、「みんな、がんばれ~!!」と応援したくなりました。しかし、希望の光が強まるほど胸にわきおこる、進路への迷いや才能の限界……。その、わずかな綻びに心が揺らめいていく様子に、痛切な気持ちがこみ上げました。夢を追いかけ続けていく道と、新たに目指した場所へ進む道。それぞれが悩みながらも歩いていく姿に、どうにもできない切ない熱を感じました。色鮮やかな感情が幾重にも重なり、喜びも痛みも豊かなポリフォニーのように響き合う物語。どんなに時が経っても、確かに輝いていた若葉の心が広がっていくラストに、やわらかなパワーが満ちあふれました。読み終えた後も、ぴかっと輝く青春の笑顔に包まれています!
紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん

頭の中で、リズムが、音が鳴って、私の心臓と呼応していくのが気持ちいい。次第に鼻がツーンとしてくる。胸の奥がキュンキュンする。人生続けていると、どんなに情熱があっても、自分の限界がわかってしまう瞬間ってある。その時にどんな決断をしたとしても、大丈夫だよ、キミは間違ってないと言ってあげられる大人でありたい。と思った。
TSUTAYA BOOKSTOREイオンモール白山 宮野裕子さん

私自身、学生時代も何にも夢中になってやってこなかったので、このような小説を読むと、心から羨ましく思うばかり。眩しいくらい光っている青春小説を読ませて頂き、胸いっぱい。久しぶりに、王道の青春小説を読みました。金子先生らしいテンポよく、楽しいものでした。
精文館書店豊明店 近藤綾子さん

私、なんでこんなに泣いてるんだろう――。そう思うくらい、心を揺さぶられる一冊に出会ってしまった……‼ 「おすすめしたい!」じゃ足りない、むしろ「読め!」って言いたくなる。
実は私自身も高校時代にガールズバンドを組んでいて、しかも担当は主人公と同じベース。作中に出てくる音楽や空気がどこか懐かしくって、「自分と重なるから楽しめてるのかも」と、最初は思っていました。でもそれは大きな間違いでした。バンド経験や音楽知識なんて関係ない。ジャンルも、バックグラウンドも関係なく、物語はまっすぐに痛切に、心に届いてきます。特にラスト50ページ。自分でも引くくらい涙がとまらんかった。
青春って、戻れないからこそ、青春なんだ。「あぁ、あの頃に戻りたいな」じゃなくて、「青春があって良かった」そう思えたことで、今の私が少し、キラキラした気がした。
TSUTAYAリノアス八尾店 長岡和可子さん


『私たちはたしかに光ってたんだ』冒頭ためし読みはこちらから