『南極料理人』『横道世之介』『子供はわかってあげない』など数々の名作を世に送り出してきた映画監督・沖田修一さん。監督デビュー20周年の節目となる今年、初となる本格書き下ろし小説『さとこはいつも』を上梓しました。
完全オリジナルの同名映画を撮るうち、脚本には書き切れない“さとこ”たちの存在に気づいた沖田さんが選んだのは、ノベライズではなく、一から小説を書きあげることでした。
沖田さんの頭の中からあふれ出る3人のさとこたちの息遣い宿る本作に、俳優の上白石萌歌さんから共感の声が届きました!

◆『さとこはいつも』あらすじ
中井聡子、中学2年生。じりじりと迫りくる高校受験を薄目で見ながら、昼休みには屋上で友人たちと恋バナに花を咲かせ、放課後になれば、渋々入ったソフトボール部で嫌々ライトを守る(※ボールが飛んでくると逃げる)日々だ。
西田沙都子、35歳。韓国カルチャーと姪っ子をこよなく愛し、映画配給会社でしゃにむに働く。隠れた名作を世に広めたい! という初心はどこへやら、山積みの仕事に忙殺され、現実を知るうち、無難でより広くウケそうなコピーばかりひねり出すようになってしまった。
飯島里子、55歳。毎朝3人の息子のお弁当作りに精を出し、あっという間に20年が経った。三男の最後のお弁当の日、家族は誰もそのことに気が付かない。ふと顔を上げれば、読書好きだった学生時代に抱いていた小説家の夢もはるか遠くに。
塩辛への愛に初恋、不倫、家族。
彼女たちには、書かずにはいられない物語があった――。
◆著者・沖田修一さんのことば
きっかけは映画でした。三人の「さとこ」という女性が物語を書こうとするお話。その脚本を書いていると、どうしても彼女たちが書いた中身までは描けず、悶々としていると、それならもういっそのこと小説として書いてやれ、と思い立ちました。映画のノベライズというのがどうしても我慢できず、この物語に登場する彼女たちのように、新しい気持ちで一から小説を書いてみたいと思いました。
書きたいけど、あんまり上手く書けない、どこにでもいそうな普通の人の気持ちを書きました。映画と一緒に楽しむでももちろんいいですし、この小説だけでも楽しんでもらえると思います。どうぞ、よろしくお願いします。
◆中井聡子(中2)の耳鼻科での初恋を描いた冒頭25Pを公開中!
https://books.bunshun.jp/articles/-/11196
◆著者プロフィール
沖田修一(おきた・しゅういち)
1977年生まれ、埼玉県出身。映画やテレビドラマの監督作品多数。『南極料理人』(09)が大きな話題となり、2009年度新藤兼人賞金賞など受賞し、国内外で高い評価を受ける。また監督作『横道世之介』(13)では、第56回ブルーリボン賞最優秀作品賞など受賞。その他のオリジナル脚本監督作品に『キツツキと雨』(12)、『滝を見にいく』(14)、『モヒカン故郷に帰る』(16)、『モリのいる場所』(18)、『さかなのこ』(22)、ドラマ『0.5の男』(23/WOWOW)などがある。また星野源などのMVも手掛けている。










