発掘された本当の災害記録
温故知新、東京の3大水害と言われる明治43年の「東京大水害」、大正6年の「大海嘯」、昭和22年の「カスリーン台風」について、その実態を語った語り部の声を新たに発掘しました。本書に掲載したこれらの話は、これまで埋もれていた本当の災害記録とも言えるものです。明治44年から始まった荒川放水路の工事に携わった11歳の少年河川人夫の殉職、大正6年の高潮台風の時一瞬にして100人以上の命が失われ、その時、台風の目が通過する際には満月が見えたこと、昭和22年のカスリーン台風から避難するため、あえて洪水が起こっている江戸川を渡らざるを得なかったこと。その時わが子を助けるため危険な枕木を必死に渡った母親がいたことなどをお伝えいたします。
このような水災害の被害を少しでも減らすためにはどうしたらいいのか、避難高台として期待されていた「スーパー堤防」、洪水調節として計画された「八ッ場ダム」これらの事業仕分けがもたらしたリスクの増大にも言及します。「避難勧告、避難指示」の実態、これらの発令が犠牲者の低減に深くかかわっていることも明らかにします。その上で河川の洪水は流域を単位として発生するものであるにもかかわらず、それに対する防災体制は自治体を単位に組織されていて、危険回避の機能が充分に発揮出来ていないこと、国が国民の命を守ると言う「直接的な体制」になっていないことなどを明らかにします。
その上で、日本が災害と共に生きてきた国であること、災害と共生して来た先人の知恵、それを生かしつつ発展して行く災害文化の醸成が強靭な日本を造ることをお伝えします。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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