
- 2016.08.17
- インタビュー・対談
世界中の時事とエンタメが繋がる驚き――南キャン・山里亮太さんが語る「町山智浩論」
「本の話」編集部
『「言霊USA」特別LIVE アメリカ大統領選2016』(町山智浩 著)
ジャンル :
#随筆・コミックエッセイ
でも、この電子書籍にも書いてある通り、町山さんはアメリカの文化や、いままさに現地で起こっている出来事を絡めて、トランプ現象を解説してくれる。町山さんによると、トランプは昔から今のような暴言キャラだったわけではなく、過去に選挙で人種差別的な候補者に負けたことや、アメリカンプロレスにお客さんが熱狂している様子を見て、共和党支持の白人にウケるキャラクターのあり方を学んだみたいなんですね。そういう話を聞くと、トランプが自分の政策に目を向けさせるために、わざとドラマチックに道化を演じているとすればカッコイイな、と思ったりもします。
――なるほど。では、どのような方に町山さんの書籍はおすすめでしょうか?

アメリカ大統領選の話であれ、戦争の話であれ、国の緊張状態の話であれ、どんな話でも、その中に下ネタを入れられる人ですから。読んでいるときは、「またバカなことを言って」と思ってしまうんですけど、全部読み終わったあとは、ものすごく考えさせられてしまいます。堅苦しくないのに、物事を楽しむ感受性が育っていくというか。だから、みんなが同じようなものを報道している、今のワイドショーやニュースに飽きてきている人たちには、ぜひおすすめしたいです。物事をちょっと違う角度から知りたい、という方にはぴったりかと。
勉強をしたり、本を読んだり、テレビを見たりして、人はそれぞれ引き出しを増やしていくと思うんですけど、町山さんの話を聞かないと増えない引き出しって、絶対あると思うんですよね。世界中で起こっている出来事とエンターテインメントを、全部繋げて見られるような目線。そういう目線を与えてくれるのは、町山さんぐらいしかいないんじゃないかな。