- 2019.04.15
- コラム・エッセイ
雇用機会均等法から約30年 働く女性は、しあわせになったか
上野 千鶴子 (東京大学名誉教授)
『女たちのサバイバル作戦』 (上野千鶴子 著)
出典 : #本の話
ジャンル :
#政治・経済・ビジネス
※新書刊行時2013年の記事です。
日本でウーマン・リブが誕生してから40年。このあいだに、日本の女は生きやすくなったのでしょうか。海外メディアや若いジャーナリストにそう問われるたびに、わたしはうーむ、と考えこんでしまいます。
GDPは世界3位なのに、女性の地位を示すGEM(ジェンダーエンパワメント指数)では57位(2009年)、GGI(男女平等指数)では101位です(2012年)。男女賃金格差は縮小しないし、出産離職率も長期にわたって横ばいのまま。日本の女の状況がよくなったとはとても思えないからです。
こんな時代、女性はどうやって生き延びていけばよいのでしょう?
とりあつかった時代は均等法から今日までの、ほぼ30年間にわたります。そのなかで女にとってもっとも深刻だと思ったから、雇用と労働を中心に論じました。というのも、職がない、ということは食えない、ということと同じだからです。食わせてくれそうな男は激減しました。女が仕事を奪ったせいではありません。ネオリベのせいです。うらむなら女をうらまず、ネオリベ改革を推進した犯人たちをうらんでくれ。
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