※新書刊行時2013年の記事です。
日本でウーマン・リブが誕生してから40年。このあいだに、日本の女は生きやすくなったのでしょうか。海外メディアや若いジャーナリストにそう問われるたびに、わたしはうーむ、と考えこんでしまいます。
GDPは世界3位なのに、女性の地位を示すGEM(ジェンダーエンパワメント指数)では57位(2009年)、GGI(男女平等指数)では101位です(2012年)。男女賃金格差は縮小しないし、出産離職率も長期にわたって横ばいのまま。日本の女の状況がよくなったとはとても思えないからです。
こんな時代、女性はどうやって生き延びていけばよいのでしょう?
とりあつかった時代は均等法から今日までの、ほぼ30年間にわたります。そのなかで女にとってもっとも深刻だと思ったから、雇用と労働を中心に論じました。というのも、職がない、ということは食えない、ということと同じだからです。食わせてくれそうな男は激減しました。女が仕事を奪ったせいではありません。ネオリベのせいです。うらむなら女をうらまず、ネオリベ改革を推進した犯人たちをうらんでくれ。