『女たちのサバイバル作戦』 (上野千鶴子 著)

 本書を書くのは気が重いしごとでした。ましてや昨年12月の衆議院選挙、今年7月の参議院選挙のあとは、もっと気が重くなりました。というのは、日本の政治はどう考えても女にとって困った方向へ向かっているからです。

 とはいえ、どんな世の中でも女たちは生き延びていかなければなりません。サステイナブルよりサバイバル。時代はそこまで来ている、とわたしには思えます。本書はいまテンパっているあなた、くさっているあなた、これから働くあなた、「就活」中の娘を持つあなた……に読んでもらいたいと思います。

 最後に。まさかこのわたしが文藝春秋から単著を出すとは思いもよりませんでした。わたしが変わったわけではありません。その程度には、文藝春秋も変わったのでしょう。何より女性編集者を採用し、その女性たちが社内でサバイバルしてきたからこその変化です。文藝春秋さん、わたしの本を出してくださってありがとう。