- 2012.03.21
- 書評
<『東大合格生のノートはかならず美しい』コラボ秘話>
ノートも本もITには負けない
文:森川卓也(コクヨS&T社長) ,文:太田あや(インタビュアー)
『東大合格生のノートはかならず美しい』(太田あや 著)
ジャンル :
#趣味・実用
──今回のコラボはとてもスムースに運びました。現代社会ではいろんな権利が錯綜していて、悲観的あるいは否定的な先入観で権利関係をクリアしようとすると、なかなか話が前に進みません。
そういう意味でも、今回のコラボは「モノづくり」と「ユーザー重視」という観点を基本として、細かい交渉よりもまず前に進もうという精神が双方にあったように思います。
森川 まず、互いに目指すところ、「受験生のためにいいものを作ろう」という想いが同じだったのだと思います。「単行本」と「ノート」。たしかに似てはいますが、作り手の発想も、技術もちがいます。だからこそ、それぞれの得意分野で互いにいいものを作ろうと頑張った。今回は、ノートと本、二つの業種が大事にしていることが同じだと気がついたところから出発した。それがよかったのではないかと思います。
コクヨの創業者はこんな言葉を遺しています。
「商売は利潤を追求するものではない。利潤は、その事業が社会に貢献することによって社会から与えられた報酬である」
こうした言葉は、会社の応接室にも、サイコロの形にしていつも身近に目に触れるようにしてあります。
経営理念が感じられない商品、あるいはビジョンのない経営というのでは、社会から認められず、長続きしません。何のために企業が存在し、何のために収益をあげているのか。それがハッキリしないで、ただ金儲けのために収益をあげていると、結局は失敗する。それが創業者の言いたかったことではないかと思います。
企業が生み出す価値の源泉は社員です。その社員の精神が社会やお客様にきちんと向いていて、お客様の期待値を超えるモノを発想し、作り出すことが大切です。そこには、お客様の感動と作り手の喜びという好循環が生まれます。
願わくば、このコラボが「ノートと本」の歴史的意義に基づく社会的貢献になってほしいと思っています。
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