- 2016.11.22
- インタビュー・対談
最近話題のプロトコールとマナー、どこが違うのか
「本の話」編集部
『世界に通用する公式マナー プロトコールとは何か』 (寺西千代子 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
――男性で印象に残っていらっしゃる方はどなたですか?
寺西 今回米国大統領選でヒラリーさんを支えていた、クリントン元大統領がその一人です。小渕総理の葬儀に参列されたのですが、周囲への細やかな思いやりの反面、強いオーラで圧倒されました。後に「不適切な行為」が糾弾された時、あの優しい人柄が裏目に出たのでは? と同情したほどです。
他には、英国勤務から帰国して最初に手掛けたイタリアのペルティーニ大統領訪日のことが一番印象に残っています。
――その後、外交官としてイタリアとバチカンにも勤務され、イタリアとのご縁が深いようですね。
寺西 そうですね、イタリア人といえば、チャランポランというイメージがあるかもしれませんが、プロトコールの面では敬服することがいくつもあります。やはり各地に散在した都市国家等がそれぞれ長い歴史を育んできた国なので、古くから洗練されたマナーとこれに関する本があり、ベネチアやフィレンツェのしきたりはフランスを始め欧州の中央集権国家に伝えられ、欧米のプロトコールの基本に貢献したのです。
私などはプロトコール上わからないことがあると、いつもイタリアの儀典担当の外交官に助け舟を求めました。彼はベネチアの名門貴族の末裔で、夏場はもっぱら白いリネンのスーツ姿。銀座を歩いていると、すれ違う女性たちが振り返るほどの超イケメンでした。でも、皮肉屋で、ずいぶん辛らつな、しかし的確な日本(人)批判を聞かされたものです。
――外交官にはハンサムな方が多いのですか?
寺西 そうとも限りません(笑)。日本の外交官でも、私の知っている要人通訳をつとめた外交官には、超エリートで語学力抜群のイケメンがいましたね。前事務次官の斎木昭隆さんや駐英大使の鶴岡公二さんの若い頃は、外務省でも女性たちの憧れの的でした。
――本の中には、実際にビジネスの場でも使えるマナーのヒントがたくさんあります。その中でも、寺西さんが最も重要だとお考えになっていることは何ですか?
(1)価値観の違いや多様性を理解すること(2)国際ニュースやネットの画像をプロトコールの問題意識を持って観察すること(3)語学力(4)広い教養でしょうか。といっても(3)と(4)は、常に自分自身に言い聞かせていますが、いまだに達成できていないことです。
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