![“破壊と創造”を貫き、人々に喜びを](https://b-bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/7/8/1500wm/img_78661ed1099013b8d69edfa376178c1c62561.jpg)
株式会社光栄を立ち上げたのは、二十七歳のときで、最初の数年は経営状態が苦しかったんですね。自分の経営者としての才覚に疑問を感じ、経営を学ぶために様々な本を読みました。そのときに出会ったのがドラッカーの『マネジメント』です。
最も印象に残ったのは「顧客の創造」というフレーズでした。ドラッカーは、企業の目的は儲けることではなく、「顧客を創造すること」だというんです。顧客の潜在意識のなかに需要があるにもかかわらず、商品やサービスになっていないものを創り出すことを目指すべきだと。企業とは、人々に快適さや、喜びを届けるために存在している。利益はその活動を続けるために必要だが、目的ではなく結果だ、とドラッカーは綴っています。
これを読んで、戦国武将と通ずるものがあるなと感じました。まさに織田信長の生涯がそうでした。「破壊と創造」を繰り返し、古い文化や慣習を壊して、新しい社会や価値観を生み出し、人々を幸せにしようとした。
余談ですが、城山三郎さんの『雄気堂々』で描かれた渋沢栄一も同様の理念を持っており、明治の時代に立派な人がいたんだと感激しました。シブサワ・コウは、渋沢栄一にちなんだものです。この名に恥じない経営者でいたいと、ゲームソフト会社にできることは何かと常に考えています。魅力的なエンターテインメントを提供し続けることが、人々を幸せにすることに繋がっていると信じて、常に新しいことにチャレンジし続けたいですね。
お勧めの3冊
・『国盗り物語』(全四巻) (司馬遼太郎 著) 新潮文庫
・『三国志』(全五巻) (吉川英治 著) 講談社文庫
・『マネジメント[エッセンシャル版]』 (P・F・ドラッカー 著) ダイヤモンド社
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