書評

読者の皆さんへ

文: 佐伯 泰英

『神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)』 (佐伯泰英 著)

 新シリーズ『新・酔いどれ小籐次』を始めるにあたって、まず読者諸氏や書店各位にご迷惑をお掛けしたことをお詫びしたい。

『酔いどれ小籐次留書』を作者の都合によって中断させてしまった。シリーズの進行を途絶させることは、作者がいちばんやってはならないことだろう。各出版社には多くの読者諸氏や書店さんから問い合わせがあったと聞く。申し訳なくただ作者の不明と不徳をお詫びするしかない。

 ともかくこのお叱りに作者が応える術は一つしかない。酔いどれ小籐次を江戸の市井に放り出したままにすることなく、新たな物語を書き継ぐしかない。これまで以上に神経を尖らせ、集中して『新・酔いどれ小籐次』を始めたいと思う。

 新シリーズゆえに『新・酔いどれ小籐次(一) 神隠し』は旧作といささか設定を異にしている。

 第一作の『神隠し』だが、おなじみの登場人物に加え、新しいキャラクターを得て、これまでとは異なる時代設定で始まる。それに旧シリーズに登場の駿太郎とお夕の年齢をいくつか年上にして物語は始まった。それは新シリーズが進行するにつれて二人の登場人物の年齢を高くしたことの意味を読者諸氏には理解していただけると思う。

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神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)
佐伯泰英・著

定価:本体620円+税 発売日:2014年08月06日

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