- 2016.04.04
- インタビュー・対談
食のトレンドにいま欠かせない「裏ワザ」についてクックパッド編集室に訊く
「本の話」編集部
『クックパッドの、料理がみちがえる神ワザ すぐに試したくなる90の簡単&時短アイデア』 (クックパッド株式会社 監修)
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#趣味・実用
豚こま肉でチャーシュー!?
――編集長がこの本の中で特に注目の裏ワザがあれば教えてください。
草深 16頁掲載の「鶏むね肉を柔らかくするには塩水が有効」ですね。私は料理編集経験が長いのですが今まで「塩水につける」ということは聞いたことがなかったので、最初はかなり疑っていたんです。でも実際に作って比べてみたら本当に柔らかくなる。もちろんこれには科学的根拠があるのですが、この作者さんは、鶏むね肉を柔らかくするためにキッチンですごく様々なことを試したと思うんですね。その情熱と発見がすごいなと感動しました。あと24頁の「安い豚こま肉でチャーシューができる!」というのは、いわゆる成型肉を自家製しているわけなんです。安い豚こま肉で満足度の高いレシピにするなんてまさに生活者の知恵ですよね。実際とても美味しくて、これをおもてなし料理として出して誰も豚こま肉だと気がつかなかったら、さらに達成感を得られると思います。あとは65頁の「ピーマンの種が飛び散るストレスからの卒業」の切り方を知ってからは、私はこの方法ですね。普段調理しているときはストレスだと思っていなかったのが、便利なやり方を知った瞬間に、今までこんなにストレスだったんだ!というストレスフリーになる感動をみなさんにも味わってほしいですね。
――本書のコラムでは、食のトレンドを知る2つのランキングとして、2014年から始められた「クックパッドアワード」と、2015年から始まった「みんなの食サミット」を紹介しています。
草深 もともとクックパッドはユーザーのユーザーによるユーザーのためのコミュニティでした。しかし、日本中の多くの家庭でクックパッドが使われ、レシピが投稿されるようになり、クックパッドでの流行は日本の食卓の流行なのではないか、それは発信価値のあるもので、きちんと世に伝えていくべきではないかというところから、クックパッドニュースというメディアは誕生しました。そしてこのクックパッドニュースから様々なものが話題になってゆき、多くのトレンドが生まれました。そんな中、おうちごはんというのは、消費や世相、人々の健康などに直結している非常に重要なものなのに、政治・経済・芸能などに比べて注目を浴びることが少ないジャンルです。だからこそ、おうちごはんというものの価値を上げたい、当たり前のように食べている毎日のごはんが、実はすごく有機的に様々な事象と繋がっていることを伝えたい、という気持ちが強く生まれ始めました。日本最大のレシピサイト・クックパッドは、食のトレンドを分析し総括する必要がある。それがおうちごはんの流行から世の中を見る「クックパッドアワード」でした。
「クックパッドアワード」を始めた2014年に塩レモンが大賞を受賞。さらに次に来そうなものとして、「ジャーサラダ」を紹介したところ、翌年に「ジャーサラダ」が本当にブームになりました。そのためトレンドを予測することで新しいブームの芽を作っていきたいと2015年に「みんなの食サミット」を始めたんです。
――2015年の「みんなの食サミット」の1位になった「スコップコロッケ」は今まさにブームが来ていますね。
草深 そうなんです。クックパッドでも投稿者が増えていますが、ツイッターやインスタグラムなどでもハッシュタグができて数多く投稿されていたり、大手流通スーパーとのコラボ商品も誕生しました。日々のごはんというのは、とにかくお腹を満たすためだけに作らなきゃいけなかったり傷む野菜を消費しなければならなかったりと、「しなきゃいけない」という義務から始まることが多いですよね。一方トレンドというのは「ちょっと流行っているからやってみたい」というポジティブな気持ちから料理を作れるものだと思うんです。「作らなければならない、食べなければいけない」を「作りたい、食べたい」に変えられるのがブームの力だと思うので、「スコップコロッケ流行ってるよ」「なにそれやってみたい」「今日は無理かもしれないけど週末にやってみよう」というふうに、料理を義務から楽しさに変えていくお手伝いをこれからも続けていきたいと思っています。
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