科学書でもなければ歴史書でもない分厚い本がベストセラーとなった。『137億年の物語』(小社刊)は、宇宙誕生から現在までの歴史を、文系と理系の双方の視点から考察した異色の作品だ。本書に込められた教育の本質とは? 著者のロイド氏に気鋭の脳科学者が聞いた。
岡ノ谷 『137億年の物語』、とても興味深く読みました。通常、こうした本は、ビッグバンから人類の誕生あたりまでは科学者が書き、文明の発生から現在までは歴史学者が書くというケースが多いようです。つまり、前半は理系本、後半は文系本という構成ですね。
しかし、本書は全く様相を異にします。天文学、生物学、考古学、芸術、政治学など、あらゆるジャンルから歴史を考察し、文系と理系をクロスオーバーした視点から、宇宙と人類の歴史を振り返っている。
そして、「今なぜ、私たち人類がここに生きているのか?」という素朴な疑問に答えるつくりになっている。
子供はもちろん、学習意欲を失っている学生や受験生、あるいは大人が読んでも楽しめる作品だと思いました。
そもそもなぜ、このような斬新な作品を書こうと思ったのですか?
ロイド きっかけは、うちの娘が7歳のとき、登校拒否を起こしたことでした。「学校が退屈でつまらないから、もう行かない」と言い出したのです。
私は頭を抱え、学校の先生にも相談したのですが、「テストの点数は取れているし、問題ない」と、取り合ってくれない。転校も考えたのですが、根本的な解決策にはなりそうもありませんでした。
そこで、とりあえず1年間、学校を休ませることにしました。イギリスではホーム・エデュケーション(在宅教育)と言って、学校に行かずに自宅で勉強している子供が10万人近くいるのです。
岡ノ谷 それは素晴らしい。じつはうちの娘(4歳)も幼稚園に行きたがらなくて困っているのです(苦笑)。在宅教育は、どのように行うのですか?
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