2012.05.25 インタビューほか

息子・建英のバルサ入団まで

「本の話」編集部

『おれ、バルサに入る! 夢を追いかけるサッカー・キッズの育て方』 (久保建史 著)

息子・建英のバルサ入団まで

――2011年、スペインのサッカークラブ「FCバルセロナ」下部組織に初めて日本人が入団した、というニュースが流れました。久保建英(たけふさ)君、当時10歳。そのお父さんが、入団の経緯やこれまでの子育て、サッカー育成歴について書き下ろしたのが本書です(「おれ、バルサに入る!―夢を追いかけるサッカー・キッズの育て方」)。
 FCバルセロナ(通称バルサ)と言えば、ご存じの通り「史上最高の選手」と称されるリオネル・メッシを擁し、世界的な人気を誇るサッカークラブです。若手育成部門の下部組織は、地元スペイン・カタルーニャ地方出身の子ども達を中心に、スペイン全土や海外にも門戸を開いています。
 ただ、まれな例外を認めても、アルゼンチン出身のメッシのケースのように、外国人の入団は13歳以上の子、とされています。
 10歳でその狭き門をくぐった日本人少年とは一体どんな子なんだ? とサッカーファンの関心を集めました。

久保 当時息子が所属していました川崎フロンターレに、たくさんの取材申し込みを頂きました。その反響の大きさに私たち家族も驚きました。ただ、FCバルセロナは育成年代の選手への取材を全て禁止しており、川崎フロンターレ広報担当の方にもその事情をお伝えし、取材は申し訳ないのですがすべてお断りしていました。

――今回、本を出版しようと決断したきっかけは何ですか?

久保 建英の入団当時、いろいろな報道がされました。事実に近いもの、少し違うと感じるものがありました。また直接的、間接的に取組みについて話して欲しいと頼まれることが続きました。そのようなタイミングで文藝春秋さんからお話を頂き、興味を持って頂けるなら正しく伝えたい、出版しようと考えました。

――日本では、あまり小さなうちから海外へ出るという発想がないように思います。どのように決断したのですか?

久保 それはごく自然な流れでした。最初から海外を目指していたのではなく、日本でできる練習や指導を受けるうち、建英自身が「バルサに入りたい」と言い出したのです。6歳の時ですが、それ以降、バルサ入団が建英の目標になりました。

 そこで私たちは、どうすれば入れるかを考えました。結論は、「バルセロナに入る為には、下部組織にまず入ること、下部組織に入ることで可能性が高まる」でした。

 最終的に、バルサ入団までには3つの大きな関門がありました。まず、日本で開催されるバルサキャンプに参加してMVPを頂きました。その特典として、地元スペインのバルサスクール選抜チームの一員としてヨーロッパで行われる大会に出場し、再びMVP。最後にスペインへ渡って、バルサ下部組織の練習に参加しました。

 最後の下部組織での練習参加が実質的な入団テストですが、これは決まった時期にテストが行われるわけではなく、建英の場合はたまたまこういう経緯で入団した、というだけです。

 こうしたことは最初から知っていたわけではなく、随時情報を集めながらの挑戦でした。

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おれ、バルサに入る!
久保建史・著

定価:1260円(税込) 発売日:2012年05月26日

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