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人は食べている時にスキが出来る。共感も驚きもいっぱい!不思議なごはん本

人は食べている時にスキが出来る。共感も驚きもいっぱい!不思議なごはん本

文:本上まなみ (女優・エッセイスト)

『君がいない夜のごはん』(穂村 弘 著)

出典 : #文春文庫
ジャンル : #随筆・エッセイ

『君がいない夜のごはん』(穂村 弘 著)

「わあ、生ハムメロン」「ほう、ヴィシソワーズ」「え、ウィンナーシュニッツェルってなんだ?」「ファルファッレ、ポルチーニ、バルサミコ酢!」「フォアグラやトリュフやキャビア!」……

 あの料理この料理を思い浮かべてうっとり、食べたいなあ……よだれがちゅるー、はっいかん……なんて本ではありませんでした。

 読み進んでも、いっこうに私のお腹はぐーと鳴らない。右記の単語は確かに出てくるのに。けれどどんどんページをめくってしまう。

 不思議なごはん本です。

《私には自分の鼻や舌に全く自信がないのだ》

 なんて、穂村さんは冒頭から威張って(あわてて?)宣言しています。美食家でも大食漢でもない著者の、限りなく個性的(というか相当にへんてこ)な食生活の記です。

文春文庫
君がいない夜のごはん
穂村弘

定価:814円(税込)発売日:2019年02月08日

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