インタビューほか

私は人間が好きなんです

「本の話」編集部

『院長の恋』 (佐藤愛子 著)

私は人間が好きなんです

──作品集『院長の恋』は、平成十二年に『血脈』を完結されて以来、初めての小説になりますね。

佐藤  『血脈』を書いたあと、小説が書けなくなってしまったんですよ。それで、エッセイばかり書いていました。

──先生のエッセイには熱心なファンがいらっしゃって、日々、読者からの手紙が届きます。

佐藤  私の読者は「エッセイを読んで元気づけられた」って人がほとんどで、小説の方は読者から評価されることが少ないんですよ(笑)。

──そんなことはないです。『血脈』にも読者から大きな反響がありました。

佐藤  「『血脈』を読んで勇気づけられた」って手紙も貰ったわね(笑)。特に不良息子に苦しめられている親御さんなど。うちは一人だけど佐藤家は四人もいるって。しかしそうこうしているうちに、エッセイを書くことにほとほと飽きてきたんです。エッセイと小説とでは、発想の仕方が全く違いますのでね。だんだん、小説をまた書いてみたい、という気持ちになってきたんです。

──具体的なきっかけはあったのでしょうか。

佐藤  三年程前に、ある編集者が、私の心霊関係の本に関するインタビューに来られたんです。

──『私の遺言』や『冥途のお客』などに超常現象体験を記されていらっしゃいます。

佐藤  その時の雑談で、その人のおばあさんが「あすこに座っているのは誰だ」としきりにいうようになったので、みんなで「ボケた、ボケた」といっていたんだけれども、もしかしたら幽霊がそこにいて、祖母にだけ見えていたのかもしれないですね、といったんですよ、その人が。

院長の恋
佐藤 愛子・著

定価:1550円(税込)

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