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担当編集者が語る<br />ノーベル賞受賞 山中伸弥教授の素顔

担当編集者が語る
ノーベル賞受賞 山中伸弥教授の素顔

文:池延 朋子 (ノンフィクション局編集者)

『「大発見」の思考法』 (山中伸弥・著 益川敏英・著) /『生命の未来を変えた男 山中伸弥・iPS細胞革命』 (NHKスペシャル取材班・編著)


ジャンル : #ノンフィクション

鼎談 山中伸弥×立花隆×国谷裕子

『生命の未来を変えた男』
(NHKスペシャル取材班・編著)

 そして、もう1冊、山中さんを取材し、iPS細胞のすべてを徹底解剖した本が『生命の未来を変えた男 山中伸弥・iPS細胞革命』(NHKスペシャル取材班)です。

 NHKは、科学を専門とする記者、報道番組のディレクターからなる取材チームを結成、iPS細胞を徹底解剖し、その世界を紐解く番組を制作してきました。

 2010年9月に放映され、大きな反響を呼んだ「NHKスペシャル」を軸に、記者・ディレクターたちが世界中の研究現場を駆け巡り、番組では惜しくも放映できなかった膨大な情報も加えて充実した1冊になっています。

「クローズアップ現代」のキャスターで、山中さんが世界で初めてiPS細胞を開発したときから取材を重ねてきた国谷裕子アナウンサー、自らもがんを発症してなお、生命の謎を追い続けている「知の巨人」立花隆さんによる山中さんへの鼎談インタビュー、松本零士さんによるコミックも収録されています。

 カラーで見るiPS細胞や白と黒の入り混じった「キメラマウス」(マウスとラットが混じったもの)の写真は、誰の目にもiPS細胞の持つ可能性の大きさがわかりやすく、衝撃的です。

iPS細胞は生命のタイムマシン

 立花隆さんは「iPS細胞の発見はタイムマシンを発見したことと同じことだ」とそのインパクトを評しています。4つの遺伝子を注入する、という「誰でも、どこででもできる」(山中さん)技術で細胞が初期化されるということは、大きな驚きでした。今回同時受賞したイギリスのジョン・ガードン博士の研究についても、山中さん自身の言葉でわかりやすく説明してくれています。 山中さんも「細胞のタイムマシンという概念は以前からありましたが、それが本当に手に入ったというのは、本当にすごいと思います。逆に、どうして今まで誰も見つけなかったのかな、というのが正直な気持ちです」と語っています。

【次ページ】iPS細胞の持つ倫理的課題

「大発見」の思考法

山中伸弥・著 益川敏英・著

定価:872円(税込) 発売日:2011年01月20日

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生命の未来を変えた男

NHKスペシャル取材班・編著

定価:1500円(税込) 発売日:2011年08月27日

詳しい内容はこちら

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