平成30年5月9日(水)に開催された第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞の選考顧問会で大賞に選ばれました『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(森 功 著)の「はじめに」を公開します。
はじめに
一強と持ちあげられ、自由民主党総裁として異例の三選を見すえてきた内閣総理大臣の権勢が急速に衰え、無残に色あせた。二〇一七年七月に入り急降下した内閣支持率にうろたえる安倍晋三の姿は、まさに十年前の悪夢を彷彿させた。その最大の要因が、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題だったのは疑う余地がない。
「加計孝太郎さんは、政治家になる前からの四十年来の親しい友人ではあります。しかし過去、彼が私の立場を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度たりともありません」
そう繰り返し訴えてきた当人の釈明がむなしく国会に響き、マスコミ各社の内閣支持率は政権発足以来の最低に沈んだ。毎日新聞などの最下点は二六%である。八月に入っておこなった内閣改造後も、首相に対する国民の不信は消えない。野党は勢いづき、それまで抑え気味だったマスコミによる追及も厳しくなった。首相が青ざめたのは無理もない。
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