『辺境の思想』(福嶋亮大 張 彧暋・著)

 著者は、中国文学が専門でありながら、東洋と西洋の思想を越境してゆく文芸批評家・福嶋亮大さんと、日本文化に詳しく、雅俗どちらにも通じている香港人社会学者・張彧暋さん。

 情と理、タイプの違う2人の掛け合いは、アジアのみならず中東、アメリカ、ヨーロッパと時空をこえ、内田樹さんの『日本辺境論』に抜け落ちた視座を補いアップデートしようとする野心的試みにして、心と文化をめぐる熱き対話。混迷を深める世界を切り開くための、雑種的想像力に富んだ未来への書です。

『辺境の思想 日本と香港から考える』目次

第1回 辺境(ホンコン)から辺境(ニホン)へ
第2回 言葉と民主主義
第3回 念じれば響く――都会のある祭りの灯
第4回 辺境の2つの顔
第5回 過去の辺境、未来の中心
第6回 香港――渦巻状の交通路
第7回 刻々と変化する文化速度
第8回 日本にとってサブカルチャーとは何か
第9回 話したいことが無数にあるようだけれど、残念ながら私には分からない
第10回 「きれい」は「きたない」――列島の周縁から
第11回 光と影の辺境文化――都会・映画・中国ナショナリズム
第12回 ナショナリズムから都市的アジア主義へ
第13回 真・自由の彼方へ
第14回 近代を広げ、豆を育てる