豪快そうなキャラクターのあの方、意外と上品にお箸を使うのね。端正な顔立ちの人だけど、食べ方は意外と子どもっぽいのね、なんて新鮮な発見が楽しい。コメントも「甘い」「やわらかい」「おいしい」は普通だけれど、それ以外の、おもしろい表現、言葉が出てきたとき、はっとさせられます。魅せられてしまう。実際にその方にお会いしたことがなくても、内から出てきた正直な言葉、重ねてきた体験が、その人となりを立体的に見せてくれるのです。
人は食べているときにスキができる。私はそういう人間らしいふるまい、仕草を見るのが大好物であり、だからこの穂村さんの、言ってみればスキだらけの本にとても惹かれるのでしょう。
身近な場面で考えてみても、人が誰かと「食事でも」と言って会うのは、いっしょにおいしいものを食べて、貴重な時間を共有して、お互いをもっと知り合いましょうということですよね。デートのお食事はその最たるものでしょう。
ずっと昔ですが、私、こんな短歌をつくって、穂村さんに△をつけてもらったことがあるんですよ。
「これまでに三たび食事を共にして大根サラダが好みとわかる」(……へっぽこですみません)
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