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ブルーナさんからの贈りもの

ブルーナさんからの贈りもの

文:酒井駒子 (絵本作家)

『ディック・ブルーナ ミッフィーと歩いた60年』(森本俊司 著)

出典 : #文庫解説
ジャンル : #ノンジャンル

『ディック・ブルーナ ミッフィーと歩いた60年』(森本俊司 著)

 大人になって読み返すと、幸福感とともに、何か胸がキュウと締め付けられるような気持ちになります。もう終わってしまった時間なんだ、と感じるからでしょうか。 

 以前、ブルーナの原画展を見に行ったとき、「うさこちゃん」の初版の(本書にも詳しく載っている)縦長の頃の原画が展示されていました。そこに描かれたうさこちゃんは、まさに「赤ちゃん」という感じで、生まれてきた我が子の存在を、若いブルーナが、驚きをもって絵にしていっているように思いました。そして、そうやって改めて『ちいさなうさこちゃん』や『うさこちゃんとうみ』など初期のシリーズを見てみると、目の前に小さな子がいる画家の視線を、はっきりと感じます。「うさこちゃん」て、こんなにリアルで生々しいくらいの姿で描かれていたんだと、今更ながらに気付かされました。

ディック・ブルーナ
ミッフィーと歩いた60年
森本俊司

定価:本体750円+税発売日:2019年07月10日

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