累計部数が420万部を超える石田衣良さんの大人気シリーズ「池袋ウエストゲートパーク(IWGP)」が、2020年にTVアニメ化されるということで、アニメファンでもある石田衣良さんにアニメ化への思い、そして日本のアニメーションについてお話をうかがいました。
――IWGPの1作目が出てから20年を経てのアニメ化ということで、その話を最初に聞いたときの率直な感想はいかがでしたでしょうか。
やっぱり、ちょっとびっくりですよね。その手があったかと思いました。IWGPは2000年にドラマになって、スペシャルドラマになって、つい2年前にはミュージカルになって。「あれ、あと何があるのかな」と思っているときにアニメの話が来たので驚きました。ただ、ぼく自身はアニメをすごく見ていて好きなので嬉しかったですね。
――アニメ化決定のリリース用にいただいたコメントにも「数々の傑作アニメを観て育ってきました」とありましたが、具体的なアニメ遍歴を教えていただけますか?
ぼくがいちばん覚えているアニメはすごく古いんですよ。『エイトマン』とか『ジャングル大帝』とかモノクロのころですから。幼稚園のころ、そういったモノクロアニメや『ウルトラQ』のような特撮番組を見ていて、そういった番組は30分で終わってしまうから、もっと長く楽しめるものはないのかなと思って見つけたのが本の世界でした。
――創作を楽しむ入り口がアニメだった。
そうですね。本の世界を知るきっかけがアニメや特撮SFでした。それでアメリカの翻訳SFを見つけてこっちの世界に入ってきたので。そういう意味では、人生の最初のころのお楽しみでした。そのあとも『ガッチャマン』、『宇宙戦艦ヤマト』も見てましたし、『デビルマン』やスタジオジブリ、ずっときて『エヴァンゲリオン』、そして最近のアニメということになりますね。いま日本で「これは名作だね」と言われている作品はほとんど見ていると思います。最近だと『メイドインアビス』とか『ダーリン・イン・ザ・フランキス』とかも見てますね。
――興味が本に移ってからもアニメは途切れることなく見ていたんですね。
はい。ほとんどお客が入っていなかった初期のジブリ映画、『ラピュタ』なんかも公開時に劇場で見ています。