――そのなかで、とくにお好きなもの3本だと?
いろいろあって難しいんですけど、ぼくの好みからすると『もののけ姫』、『エヴァンゲリオン』、『まどか☆マギカ』かな。『まどか☆マギカ』は入れ替えてもいいけど。
――いまあげられた3作はどういったところが?
日常系アニメみたいに何も起こらない作品は苦手なんですよね。大きなアクションだったり、世界を揺るがすような変化に主人公がうまく絡んでくるようなアニメのほうが好きです。でも日本のアニメって本当に面白いよね。レベルが高いし。いま日本のメディアのなかで一番クリエイティブな才能が集まっている分野じゃないかなって思っています。その意味でもIWGPのアニメは期待したいですね。
――アニメーションのクリエイターでとくに好きな方はいますか?
やっぱり宮崎(駿)さんは本当に巨人だと思います。最近だと『宇宙(そら)よりも遠い場所』の監督のいしづかあつこさんは次に何を撮るのか期待しています。でも、こういった漫画やアニメの世界って、ぼくにとってひとつの創作の理想のかたちでもあるんですよね。
――というと?
読者や視聴者を巻き込む力がものすごくあるじゃないですか。心や興味の関心をまるごとさらってしまうようで、その意味で少年漫画の勢いとか力はすごいなと思います。いちど、ぼくも少年漫画みたいな小説を書いてみたいとチャレンジしたこともありますし。そういう意味では、アニメや漫画は世界で戦える数少ないメディアだなと思います。
――『池袋ウエストゲートパーク』がはじまったころと比べて、世の中でアニメの立ち位置がかなり変わっていると思います。
周辺理論じゃないですけど、いちばん端にいたメディアがだんだんと日本文化の主流に成りあがっていく……と言うと良い言葉じゃないですけど、中心に位置するようになりましたよね。それは、実写映画の限界みたいなものもひとつ大きかったのかもしれませんけど。なかなか予算が上がらないなかでも、アニメーターの知恵と技術ですごいものが作れてしまうというのは日本的なメディアですよね。だからこそ、もう少し制作、労働環境ふくめて何とかならないかなと思うんですけどね。
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