WEB&アプリ「コミックDAYS」で連載中の阿部智里さん原作、松崎夏未さん漫画の『烏に単は似合わない』第3巻が10月9日に発売になりました。いよいよ物語が佳境にさしかかった、コミックの読みどころを原作者の阿部さんに伺いました。さらに気になる「八咫烏シリーズ」の第二部は現在――。
――いよいよコミック『烏に単は似合わない』の第3巻が発売になりました。今回の読みどころは?
阿部 なんと言っても、表紙にもなっている北家の白珠(しらたま)ですね。これまで悪役みたいな立場にいた彼女が何故こうなってしまったのかがやっと分かります。白珠の狂気と原作にはない北家の様子が松崎夏未先生の筆で見事なまでに描かれているのですが、呪われそうな迫力です!
コミック第1巻ですと少し前の少女漫画全開の作風なんですが、松崎先生の本来の絵柄って、全然あんな感じではないんですよね。1巻から3巻まで通して読んでみると、コマ割や画風を作中の雰囲気に合わせ、意図的に変えていることがよく分かります。前半のふわふわに作為を感じるんですよ。松崎先生の掌の上で転がされている感があります。一度、読者として純粋にコミックを楽しんでから、制作者側の視点で通読するとより楽しいかもしれません。
――「八咫烏シリーズ」第二部、すでにタイトルが公表されている『楽園の烏』の発売も待ち遠しいですね。
阿部 (すごく遠い目をして、担当者から視線をずらし)年初からずっと缶詰部屋にいるような気がしている……いやそんなはずはないんですけどね(苦笑)。デビューした頃、プロの作家になって楽しいのは1、2冊目までで、あとは苦しいだけという話を聞いたことがあります。その時はそんなことがあるわけがない、私が作家になれたらずっと死ぬまで楽しく書いていられると思ったんですけど、今になってあの意味が……いや、その苦しささえも本当は楽しいんですけどね!
とにかく文春さんの缶詰部屋から一日も早く脱出したい! お待たせして本当に本当に申し訳ないのですが、全力で頑張っていますので、もう少しお待ちください。
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