- 2019.12.21
- インタビュー・対談
<東川篤哉インタビュー>「魔法使い」シリーズは『刑事コロンボ』と『奥さまは魔女』から生まれた!
「オール讀物」編集部
『魔法使いと最後の事件』でついにシリーズ完結!
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#エンタメ・ミステリ
驚愕の「出会い系捜査」とは!?
刑事と魔法使いの異色コンビに加え、シリーズに外せないのが小山田の上司である〝永遠の39歳〟〝八王子署の椿姫〟こと椿木綾乃警部。豊かな胸、優美な脚線美、女優顔負けの美貌を誇るが、お酒を飲んで吐いたり絡んだり、部下に暴行を働いたりする「ドS警部」でもある。実は生まれながらの「ドM体質」をもつ小山田は、マリィに親愛の情を抱きつつも、事件現場で椿木警部に罵られ、足蹴にされることに無上の喜びを感じてしまうのだ。謎解きにおいても、ラブコメにおいても、小山田、マリィ、椿木警部のあいだに〝疑似三角関係〟が構築される点が、本シリーズ最大の笑いどころといえる。
「小山田とマリィがくっつきそうですれ違うのは、『うる星やつら』のあたるとラムちゃんみたいなものですね。当初は、第1巻であっさり結ばれて『うちのカミさんは魔女』になるはずだったところ、なかなかふたりの距離が縮まらなくて、ここまで引っ張ってしまいました」
前巻では、オカルト雑誌『マー』のスクープ記事「八王子の魔女を激写」のせいで、マリィが小山田家を出て行ってしまう急展開。くっつきそうに見えたふたりに訪れた〝別離〟に、読者はやきもきさせられたが、
「安心してください。最終巻では、きちんと結婚して『奥さまは魔女』になります。その、小山田が婚姻届を出す場面に渾身のギャグを仕込んでいるので、笑ってもらえたら嬉しいです」
いっぽうの椿木警部は、幸せな結婚を夢見るあまり、ついに最終巻で「出会い系捜査」なる禁断の領域へと足を踏み入れる。犯罪捜査に「運命的な出会い」を求め、「捜査対象=恋愛対象」「取り調べ=真剣勝負のお見合い」と見なす、椿木警部ならではの捜査法を確立するのだ。
果たして椿木警部に幸せは訪れるのか? 彼女の奮闘ぶりからも目が離せない。
「警部が事件の関係者に思いを寄せるけど、その相手に限って真犯人――という展開をお約束ギャグにしたせいで、シリーズ途中から犯人役をみんな男にせざるをえなくなって(笑)。全16作、マンネリにならないようにアイデアを考え続けるのは、本当に大変でした。ようやく最終巻を出すことができて、今はホッとしています」
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