本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
今村翔吾「私が追いかけて来たテーマの、核になる物語かもしれない」

今村翔吾「私が追いかけて来たテーマの、核になる物語かもしれない」

別冊文藝春秋

新連載『海を破る者』に寄せて

出典 : #別冊文藝春秋
ジャンル : #歴史・時代小説

「別冊文藝春秋 電子版30号」(文藝春秋 編)

 世界の長い歴史において最も大きな版図を築いた国はどこか。面積ならば第1位は大英帝国で、その国土は3370万kmに及ぶ。だが当時の世界における人口比率で考えると20%で、大英帝国は首位から陥落する。

 では人口比率から考えた第1位はどこの国か。それが本作の一つの核となるモンゴル帝国である。その領土はあまりにも広大で西は東ヨーロッパから、東は中国、朝鮮半島まで、ユーラシア大陸を横断している。そして当時の世界人口の25.6%、実に4人に1人がモンゴル帝国の勢力圏で暮らしていたことになる。

 そのような歴史上最大の大国に、日本という国は二度も侵攻を受けたことになる。そして皆さんがご存じのように、日本はその外圧を撥ね退けた。他にもその侵攻を防いだ国はある。だがその多くが一時的で、最終的に敗れている。最後まで屈しないどころか、玄関口で追い払った国は極めて稀有である。なぜ日本が勝ったのかという理由は様々挙げられるが、街頭インタビューでもすれば「神風」という答えが最も多いのではないか。確かに野分(台風)は戦いに大きな影響を与えたが、決してそれだけではない。モンゴル帝国と他国の戦いに比べても、鎌倉武士はかなり奮闘したといえる。


「海を破る者」の立ち読みはこちら

別冊文藝春秋からうまれた本

電子書籍
別冊文藝春秋 電子版30号(2020年3月号)
文藝春秋・編

発売日:2020年02月20日

プレゼント
  • 『グローバルサウスの逆襲』池上彰・佐藤優 著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/4/19~2024/4/26
    賞品 新書『グローバルサウスの逆襲』池上彰・佐藤優 著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る