- 2020.02.27
- インタビュー・対談
<安部龍太郎インタビュー>戦国時代を知るためには、新たな歴史観が必要だ!
第二文藝部
作家生活30周年記念作品『海の十字架』(安部 龍太郎)
ジャンル :
#歴史・時代小説
作家生活30年を迎えた直木賞作家・安部龍太郎さんが、「その節目にふさわしい一冊になった」と語る短編集が『海の十字架』だ。独自の史観で戦国武将を描いた今作の魅力に迫る。
戦国時代を読み解くキーワードは『銀と鉄砲とキリスト教』
「『信長燃ゆ』を書いたのは2001年でした。そのころから、日本の戦国史観はおかしい、と言い続けてきたんです。
戦国時代を考えるときに、江戸時代に作られた従来の歴史観だけで考えていては、真実は見えてこない。
この頃の世界は、大航海時代真っ盛り。『銀と鉄砲とキリスト教』というキーワードを念頭にいれながら、当時の戦国武将はどう生き抜いたか、という視点が必要なんです」
今作で登場するのは、日本初のキリシタン大名・大村純忠、畿内を支配した三好長慶、若き日の上杉謙信(長尾景虎)などで、織田信長や豊臣秀吉のように天下を取った武将ではない。
いわゆる普通の戦国武将たちが、米作り中心の農本主義から、重商主義へと劇的に変化する「経済状況」に、どう立ち向かっていったのかが描かれている。
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