インタビューほか

万城目学と門井慶喜の「辰野金吾建築散歩」in東京

「オール讀物」編集部

ふたりの建築探偵が大建築家の足跡をぶらぶら歩く!

万城目学と門井慶喜の「辰野金吾建築散歩」in東京

まえがき

 金吾でGO! 万城目学

辰野金吾を愛してやまない作家・万城目学氏

 私が辰野金吾という建築家を知ったのは、『プリンセス・トヨトミ』の連載をしながら、この荒唐無稽極まりない話に、どうそれっぽい説得力をつけるべきか悩んでいる最中のことでありました。

 藤森照信氏の『建築探偵』シリーズを何とはなしに眺めていると、建築音痴の私でもその名前や外見を知っている建物の設計者として、やたらと同じ人物の名前を目にする。そこから辰野金吾という名前を覚え、「辰野式」と呼ばれる赤レンガの建物群を覚え、最終的にストーリーの中にねじこむことに成功したわけですが、あれからざっと12年が経ち、ずいぶんと世間で辰野金吾という名前を目にする機会も多くなったように感じます。

 それはひとえに東京駅の改修工事が終了し、この大建築を設計した人物として再脚光を浴びているがゆえでありますが、すでに10年前の時点で、『ぼくらの近代建築デラックス!』企画を始めるにあたり、大阪に残る辰野建築からその第一歩をしるした我々は、きわめて先見の明があったと言わざるを得ないでしょう。

 そんな二人が、改めて辰野金吾の足跡を、オリンピック開催を前に妙にうわついている東京の中に探って参りました。立派に残っているもの、完全に消え去ったもの、建物はなくても不思議な気配を漂わせているもの――。今も東京に生きる、様々な辰野金吾のかたちをご覧ください。

 それでは「辰野金吾建築散歩in東京」のはじまり、はじまり。

【次ページ 工部大学校:ボアンヴィル/1877年/千代田区霞が関3-2-1】

東京、はじまる門井慶喜

定価:本体1,800円+税発売日:2020年02月24日

ぼくらの近代建築デラックス!万城目学 門井慶喜

定価:本体790円+税発売日:2015年05月08日


 こちらもおすすめ
発売情報東京の顔を決めた一人の建築家、辰野金吾。彼の野心と葛藤の物語『東京、はじまる』ほか(2020.02.21)
コラム・エッセイ大阪城天守閣へのお叱り(2015.05.25)
コラム・エッセイ万城目学さんが繰り出す機知のひらめき(2015.06.02)
書評日本の近代建築に秘められた 豊饒な「物語」(2012.11.30)