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「執行猶予が明けるのが怖い……」清原和博

「執行猶予が明けるのが怖い……」清原和博

『薬物依存症』プロローグより


ジャンル : #ノンフィクション

衝撃の逮捕から4年。執行猶予満了を迎える清原和博が語った、薬物依存の怖さ、うつ病との戦い、そして家族との再会――。


プロローグ

『薬物依存症』(清原 和博)

「ぼく、一生執行猶予でもいいんです。友人にもそう言ったんです。もう少し執行猶予、延ばしてくれへんかなって……」

 清原和博はそう言って視線を落とした。

 2020年のある夕刻のことだった。

「最近は会う人、会う人に『もうすぐ執行猶予が明けるね』と言われるんですけど、それが嫌で嫌で……。怖いんです。だって……」

 うつむいたままの清原はいつものように黒いスポーツウェアを着ていた。

 白だとか青だとかではなく、いつも黒。

 清原がまとっていたのはこの4年間、ほとんどその一色だった。

「だってぼく、ほとんど何も変わってないんですから」

2020年2月2日に中学生の次男がはじめてのランニングホームランを打ったときのバット。
2月2日は逮捕された日付だが、このバットが良い記憶の日に変えてくれた。
単行本
薬物依存症
清原和博

定価:1,650円(税込)発売日:2020年06月15日

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