作家の羽休み――「第8回：お待たせしました！」

阿部智里

　大変長らくお待たせいたしました！

　八咫烏シリーズ第2部1作目となる『楽園の烏』が、今年9月に発売決定しました！しかも八咫烏シリーズ外伝『烏百花～蛍の章～』の文庫本もおそらくはほぼ同時発売です！

　文庫のほうはすでにゲラ作業（原稿の最終確認）も終わっており、後は出版社にお任せするだけといった状況です。そして『楽園の烏』は現在、校閲さんのチェックと編集さん達からのご指摘の入った原稿が戻って来るのを神妙に待っているところです。ここまで来れば本が出るのは間違いないと思いますが、個人的にはここからが本番といった感じです。気を抜かずに最後まで頑張りたいと思います。

　思い返せば『弥栄の烏』発売から早3年、発売延期決定によるツイッターでの謝罪文掲載から約半年が経過しています。作家本人にとっては「早いもんだなあ」という感じですが、「すぐに新刊出まーす！」と早まった告知をしてしまったせいで、楽しみにお待ち頂いていた皆さんには非常に長く感じられたことかと思います。本当に申し訳ありませんでした。

　ただ、待って頂いた分、作者として納得のいく形にはなりました。校了前には毎度「これって面白くないんじゃないか」病にかかるので、正直今も「面白いのか面白くないのかよく分からん」といった感覚ではあるのですが、少なくとも刊行を遅らせる原因となった没案よりは2部の幕開けとしてふさわしい形になったと考えています。引き続き、新刊もお楽しみ頂ければ幸いです。お楽しみ頂ける形になるよう、力を尽くします。