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作家・小川哲×禅宗僧侶・松山大耕「ウィズコロナ時代の、心との向き合い方」

作家・小川哲×禅宗僧侶・松山大耕「ウィズコロナ時代の、心との向き合い方」

「コロナ禍の法要」を体験して

松山 これまで、「法要は皆がお寺に集まってやるもの」、そういう信念が私のなかにありました。でも緊急事態宣言が出て以降は、集まることができなくなりました。愛媛県では、お通夜でクラスターが出てしまったそうですし、「信念」とか言っている場合ではなくなってしまったわけです。そんななか、ある檀家さんに「どうしてもおばあちゃんの法要をみんなでやりたい。全国にいる親戚にZoomで中継してもらうことはできませんか」と言われたんです。檀家さんのほうからご提案いただいたので、それは是非ということで、Zoomでの法要を行いました。時間は約2時間。最初の1時間でお勤めをして、それから少し私がお話をして、その後はご親族で対話をしていただく時間を作りました。それぞれがお昼ご飯を用意して、画面越しにみんなでご飯を食べながら話す。それを皆さんがとても喜んでくださったんですよ。法要中も、皆さん本当に真剣に手を合わせてくださっていて。私には、法要を中継してしまったら信心が薄れるのではないか、そんな懸念があったんです。でも、信心がなかったら、画面の前であんなに真剣に手を合わせてくださらないよなと。皆さんのお姿を見て、私自身とても勉強になりました。

 年に2回、お寺の会報を作って檀家さんにお配りしてるのですが、難病を患っていらっしゃる方やご高齢で寝たきりの方が、お寺に来られない分、とても熱心に読んでくださっているんです。その方々は「本当だったらお寺に行きたいんだけどね」といつも仰っていて。今回、Zoomでの法要を試してみて、自分の信念のせいでこれまで、本当に必要な方に法要をお届けできてなかったんじゃないかと気づきました。もちろんお寺に来て、本堂のあの空気感でお勤めするのはやはり特別なものなので、今まで通りの方法も必要だと思いますが、同時にZoomのような新しい技術を使い、ハイブリッドでより多くの方に法要をお届けするのがいいのではないかと思いを改めました。

小川 最新の技術を使って法要を行うことに対して、松山さんでも少し抵抗があったということは、もう少し年齢が上の方や、他のお坊さんの中には、根強い抵抗感がある方もおられるのではないでしょうか。

松山 実際父に、画面越しでお祈りするなんて滅相もない、と言われたこともあります。ただ今回は檀家さんからご依頼いただいたということで一回やってみよう、と。年齢の割に理解のある住職ですね。

 こうした変化によって、たとえばいままでは、北海道にいらっしゃる方に京都の法事に来てほしいとは言いづらかったのですが、オンライン上であれば、一緒に入っていただいてお話しすることができます。

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