特集

対談 円城塔×小川哲 いまディザスター小説を読む<特集 “危機”下の対話>

文: 円城 塔,小川 哲

文學界8月号

「文學界 8月号」(文藝春秋 編)

脅威が迫っているけど、日常

 小川 円城さんは、このコロナ禍で、何か変わったことはありますか。

 円城 ほとんど変わらないです。物書きといっても、すごく取材をするタイプとかでもないし、もともと引きこもり気味なので。

 小川 僕もそうです。「SF作家として、今回のコロナについてのお考えを」みたいなエッセイの依頼をいただくんですけど、小説家は、他の職業の人たちに比べるとそこまで直接の被害を受けていないので、そんな自分が語っていいのか? とか思ったりもして。

 円城 仕事に影響がないとは言いながら、実際は、あんまり仕事はできないんですけどね。焦燥感みたいなのだけがあって、手が動かない。仕方がないので、ネヴィル・シュートの『渚にて 人類最後の日』(創元SF文庫)とかを読んでました。

 小川 僕も「今回のコロナを受けて、何か作品を挙げてください」という別媒体の企画で選びました。でも、この作品は別にウイルスの話ではないんですよね。

 円城 核ですね。

 小川 核戦争後の話で、コロナ禍の今より大変な事態を描いてはいますが、いわゆるパニックものではない。

 円城 北半球が全滅してるので、状況としては相当なものなんですけどね。

文學界 8月号

2020年8月号 / 7月7日発売
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