歴史時代小説ジャンルに特化したオール讀物新人賞の選考員を務める、安部龍太郎、畠中恵、門井慶喜の三氏による「歴史時代小説書き方講座」がオンラインで4月9日(金)から三夜連続で開催され、初日は2013年『等伯』で直木賞を受賞し、阿倍仲麻呂を題材にした大型連載を控える安部龍太郎さんが講師を務めた。
プロの小説家を志し、公務員をやめて小説の修業に明け暮れたアマチュア時代の自身の経験から、「諦めなければ、書ける日は突然やってくる」と受講者を勇気づけ、小説を書き続けるための「心・技・体」の重要性を説いた。
転機を経て、苦節の末デビューできたものの、ある日突然頭痛とめまいに襲われたと語る安部さん。後になって判明した体調不良の理由は、小説家として活躍するために必須な能力が身に付いたからだった――。
さらに、「共感できない歴史上の人物は書かなくていい」「執筆に行き詰まったら、歴史上の人物を一人称で書いてみることが良いトレーニングになる」などといった、実践的なメソッドを惜しみなく披露するなど、視聴者からの質問タイムも含めての2時間は音声トラブルが途中あったものの、あっという間に過ぎていった。
「時間内にすべての質問に回答できなかったのが申し訳ない」と、終了後の視聴者アンケートで届いた約20の質問に後日直筆で回答を返す(質問と回答はデータで、視聴者全員にメール。後日アーカイブ視聴を申し込まれた方にもお送りします)ほど、安部さんは受講者の熱意に感銘を受けたという。
終了後には、視聴者から「とても満足」「良い講座でした。迷いが吹っ切れ、書く勇気がわいてきました」などの意見が届いた。
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