今年で第100回の節目となるオール讀物新人賞(2007年にオール讀物推理新人賞と統合)。藤沢周平、赤川次郎、宮部みゆき、石田衣良といった作家の登竜門となった本賞に求められている原稿とは何か? 6月20日の締切を前に、オール讀物編集部がホンネで答える21のQ&A
Q 応募作の傾向はありますか?
過去の受賞作を読んでいただくと、傾向がよくわかると思います。ここ3年は時代小説が続いていますが、その前年は現代小説(佐々木愛、嶋津輝)ですね。本当にノンジャンルですので、ミステリーの短編なども是非とも読みたいと思います。
「オール讀物」はエンタテイメント雑誌です。読んで面白ければ、なんでもありです。
一方、年配の投稿者の方々に多く見られるのが、ご自身の体験を振り返る小説です。仕事での失敗や成功、実らなかった恋愛などですね。このような小説を書いている方は、完成したら読者の目になって読み直してください。エンタテイメントになっているのか? お金を払ってまで読んでもらえるものになっているのか? と考えながら読んで見直すことを強くお勧めします。本賞の受賞者にはプロの作家になってほしいと思っています。そのためには、ご自身の作品を冷静に見る眼も必要です。
Q 応募枚数はどうして50~100枚なのですか?
この枚数が短編小説には適していると思うからです。ワード数でいえば2万字から4万字です。ちなみに、「オール讀物」の短編小説は80枚(3万2000字)でお願いしていることが多いです。
Q どこまでを「未発表作品」というのでしょうか?
原則、他の文学賞に応募した原稿と全く同じものを送るのはおやめください。なぜ落ちたのかを考えたうえで、新たに書いた作品、または推敲しなおした作品をお待ちしています。Webや同人誌で発表なさった作品も同様にお考えください。私たちは「オール讀物」のために書いた作品をお待ちしているのです。