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半藤昭和史の世界をもっと知りたい人へ、これから半藤さんに出会う人へ

半藤昭和史の世界をもっと知りたい人へ、これから半藤さんに出会う人へ

文春ムック 永久保存版「半藤一利の昭和史」


ジャンル : #ノンフィクション

2021年1月に逝去した昭和史の語り部、半藤一利さん。「昭和史」「日本のいちばん長い日」や「ノモンハンの夏」というよく知られる作品のほかにも、現代人の道しるべとなるべき多くの名著と、日本人への思いを遺してくださいました。半藤一利を作った戦争体験ルポ、秘蔵の戦時写真、著名人による特別寄稿「半藤さんから受けとったもの」 ――エッセンスが詰まった永久保存版の一冊を紹介します。

文藝春秋「半藤一利」公式アカウント(@hando_bunshun)を開設しました!

 今年1月に亡くなった「昭和史の語り部」半藤一利さん。 毎年夏になると、日本の平和を願う想いを語っておられました。 後輩である文春社員たちが、半藤さんの遺した言葉と作品を毎日紹介します。

「半藤さんから受けとったもの」

 半藤さんと長年親交を重ねてきた思い出から、著作を通じて感じ取ったものまで。熱い想いがあふれる9人の特別寄稿は必読! 半藤さんが生涯をかけて成した仕事の意味、その洒脱で大きなお人柄がストレートに伝わります。

「半藤さんの最大の強みは、資料だけでなく、軍人をはじめとする膨大な数の当事者たちに直接会い、証言を集めていったこと」(磯田道史さん)

「半藤の作品は未来を創り出せる。半藤は“万能の天才児”だったのだろう」(加藤陽子さん)

「人間は自分の言動を美化したい。そんな仮面をはぎ取って歴史の事実に迫る。ジャーナリズムの原点を学ぶことができました」(池上彰さん)

「新米作家の私に、ぴしりと的確な釘をさしてくださった」(宮部みゆきさん)

左から、磯田道史さん、加藤陽子さん​、池上彰さん、宮部みゆきさん

「優しいけれど実感のこもった解説を伺って、ようやく終戦時の悲劇に思いを馳せることができた」(阿川佐和子さん)

阿川佐和子さんと

「多忙な若い人たちが、80年近く前の戦争に興味をもち続けるのは、簡単ではありません。けれど『昭和史』だけは、長く多くの若い人たちにも読み継がれてほしい」(ちきりんさん)

「あのときのネタは、誰にも話さず大事にとってあります」(梯久美子さん)

「なぜ半藤氏が『戦争と人間』を評価しないのかが私はずっと気になっている」(佐藤優さん)

「半藤話術ともいうべき語り口や独特の文体は、“歴史書”を読むことのハードルを下げた」(保阪正康さん)

左から、ちきりんさん、梯久美子さん​、佐藤優さん、保阪正康さん

「半藤さんが精査した朝日新聞秘蔵写真」

 多くの報道写真が戦火に消失する中、朝日新聞社に7万枚の戦時報道写真が奇跡的に残っていました。昭和6年満洲事変の前後から敗戦までの国内はもちろんアジア各地を写し取った写真から、半藤さんが選りすぐり解説したものを掲載。現場の空気を写し取った風景が、大判のムックならではのサイズで胸に迫ります。

「半藤一利が見た昭和」

 14歳の半藤少年が大空襲から逃げまどって飛び込んだ中川――79歳当時の半藤さんが現地を歩きながら、あの日の記憶をつづった貴重なルポ。悪ガキ時代の写真や軍事教練の写真も満載、時代の中に生きる庶民のリアルな感覚がよくわかります。

夏休みのある朝、近所の悪ガキ仲間たちと。肩を組んだ3人、向かって右が半藤少年

「半藤さんが“歴史探偵”になるまで」

通りを見下ろす若き半藤さん

 どんな人と出会い、叱られ育てられ、何を読み、生涯の仕事を選び取ったのか。長岡中学、浦和高校から東大、ボート部の青春を経て文藝春秋に入るまで、そして『日本のいちばん長い日』誕生秘話から昭和天皇への想いまで。豊かでワクワクする小説のような章です。

 ほかにも、磯田道史さんとの対談「昭和の始まりは幕末だ」や、昭和の人物鑑定リスト、必携の90冊ブックガイド他、対話「東大生が半藤さんに聞いた昭和の歴史」、半藤史学のエッセンスがつまった名論考「なぜ明治は勝利し昭和は敗れたのか ――昭和天皇と明治天皇」を特別再録します。

 巻頭と巻末には、半藤さんから最後に託された肉筆原稿の写真も掲載。読む人を柔らかく包み込むようなその丸っこく誠実な文字をじっくり味わってください。

 半藤さんの人間観と歴史観を通して伝わる歴史のエッセンスと知的ワクワクが詰まったムックです。入門者にも最適なこの一冊、ぜひご家庭に常備してください。


半藤一利(はんどう・かずとし)

 

 1930年、東京・向島生まれ。東京大空襲で死にかけた後、父の故郷、新潟県長岡へ。東京大学文学部時代はボート部でオリンピックを目指した。文藝春秋に入社し、坂口安吾に歴史の面白さを教えられ、伊藤正徳の担当として昭和史取材に取り組む。

 在社中に『日本のいちばん長い日』の取材と執筆を手がけ、『昭和天皇独白録』の監修と注・解説も担当した。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家に。 歴史探偵 と名乗り、『漱石先生ぞな、もし』などエッセイも続々と刊行。

 2004年、平易な口調で語り下ろした『昭和史1926-1945』が大きな話題になった。『ノモンハンの夏』で山本七平賞、『昭和史1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』で毎日出版文化賞特別賞、昭和史の当事者への長年の取材で菊池寛賞を受賞。

 2021年1月12日、老衰のため自宅で逝去。享年90。愛妻・末利子夫人への最後の言葉は「日本人はそんなに悪くないんだよ」「墨子を読みなさい」だった。

 

目次

【巻頭特別掲載】なぜ明治は勝利し昭和は敗れたのか ――昭和天皇と明治天皇 
日露戦争と太平洋戦争、指導者たちの差が運命を分けた。

特別寄稿「半藤さんから受けとったもの」
保阪正康/宮部みゆき/ 加藤陽子/ 池上彰/ 佐藤優/ 梯久美子/ 阿川佐和子/ ちきりん/ 磯田道史

木版・半藤一利
東大ボート部時代に青春を過ごした隅田川の景色

語りおろし 半藤一利が見た昭和
第一章 半藤少年がくぐり抜けた戦争と空襲
第二章 半藤さんが精査した朝日新聞秘蔵写真
第三章 半藤さんが「歴史探偵」になるまで
第四章 半藤さんが出逢えた、ブレなかった日本人
第五章 [対談] 半藤一利×磯田道史
第六章 半藤さんの鑑定つき「昭和人物列伝」
第七章 半藤さんが案内する「昭和史を歩こう」

東大生が半藤さんに聞いた昭和の歴史
決定版ブックガイド「半藤さんの90冊」

◆最後に託された肉筆原稿
〈わたくしは、ゴルフもやらず、車の運転もせず、旅行の楽しみもなく……ただただ昭和史と太平洋戦争の“事実”を探偵することに若いころから妙にのめりこんできて、一人でコツコツと続けてきて、いつの間にか九十歳の老耄(おいぼ)れとなってしまった〉――。
絶筆となった『歴史探偵 忘れ残りの記』のあとがきを掲載

『歴史探偵 忘れ残りの記』(文春新書)のあとがき。編集部が受け取った最後の肉筆原稿となった

 

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