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あの夏の戦争を忘れないために──戦争の現実を知る文春文庫の15冊

文春文庫の戦争フェア

あの夏の戦争を忘れないために──戦争の現実を知る文春文庫の15冊

丹念な取材に基づくノンフィクションから、当事者の回顧録、戦時下の世相をリアルに描いたフィクションまで、様々な角度から戦争の現実を知り、現代にその教訓を活かすための15冊をセレクトしました。

情報将校が、情報を軽視する日本社会の構造的欠陥を抉り出す

『情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記』 堀 栄三

太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊情報室長を務めた著者が稀有な体験を回顧し、情報に疎い組織の欠陥を衝く。(解説・保阪正康)

文春文庫 定価:本体670円+税


復刊! 涙と憤りなしでは読めぬ、不朽の戦記文学

『インパール』 高木俊朗

「インパールの悲劇」は“日本の東条“とビルマの“小東条“牟田口廉也の握手から始まった――史実に基づいた考証と冷静な筆致と気迫で、涙と憤りなしでは読めない、第一級の戦記文学を復刊!

文春文庫 定価:本体980円+税

軍上層部の迷走と無責任を厳しく追及した、執念の戦記文学

『抗命 インパール2』 高木俊朗

無謀なインパール作戦において、烈第三十一師団長佐藤幸徳中将は、将兵の生命こそ至上であるとして軍司令官の無謀な命令を拒否した。――さもないと、将兵をむだに全滅させることになる。

文春文庫 本体780円+税

インパール作戦の悲惨と愚劣を記録するシリーズ完結編

『全滅・憤死 インパール3』 高木俊朗

インパール盆地の湿地帯に投入された戦車支隊の悲劇を描く「全滅」。軍司令部の無謀な命令に悩まされ続けた“祭”第十五師団長と参謀長の痛憤を描く「憤死」。新装版化にあたり、二作を一作に。

文春文庫 本体1,300円+税


『昭和天皇独白録』 寺崎英成 M・テラサキ・ミラー

雑誌文藝春秋が発掘、掲載して内外に一大反響をまきおこした昭和天皇最後の第一級資料ついに文庫化。天皇が自ら語った昭和史の瞬間。〈解説座談会〉伊藤隆・児島襄・秦郁彦・半藤一利

文春文庫 定価:本体590円+税


あの日、日本で何が起こったか……

『日本のいちばん長い日 決定版』 半藤一利

昭和20年8月14日正午から24時間の内に起きた出来事を埋もれていた資料をもとに再現。画期的ノンフィクション待望の文庫化

文春文庫 定価:本体600円+税


第21回(1990年)大宅壮一ノンフィクション賞

『収容所から来た遺書』 辺見じゅん

戦後十二年目にシベリア帰還者から遺族に届いた六通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。

文春文庫 定価:本体620円+税


少年の体験を通して戦場の凄まじい実相を凝視した長篇小説

『殉国 陸軍二等兵比嘉真一』 吉村 昭

太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。

文春文庫 定価:本体720円+税


引き取り手なき遺骨の謎を追うノンフィクション

『原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年』 堀川惠子

「知ってしまった人間として、知らんふりはできんのよ」 広島平和記念公園の片隅に、土饅頭と呼ばれる原爆供養塔。「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる佐伯敏子さんは、なぜ、供養塔の守り人となったのか。

文春文庫 定価:本体880円+税


『零式戦闘機』 柳田邦男

太平洋戦争における日本海軍の主力戦闘機であった零戦。外国機を凌駕するこの新鋭機開発に没頭した堀越二郎を中心とする若き技術者の足跡を描いたドキュメント。(佐貫亦男)

文春文庫 定価:本体680円+税


参謀本部作戦課・関東軍作戦課。このエリート集団の罪と罰は誰が背負ったのか

『ノモンハンの夏』 半藤一利

司馬遼太郎氏が最後に取り組もうとして果せなかったテーマを、共に取材した著者が、モクスワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描き、混迷の時代に警鐘を鳴らす。

文春文庫 定価:本体730円+税


戦争の本質を直視し、曇りなき冷徹さで描かれた傑作

『蚤と爆弾』 吉村 昭

第二次世界大戦末期、関東軍による細菌兵器開発の陰に匿された、戦慄すべき事実とその開発者の人間像を描き、戦争の本質に迫った異色長篇小説。

文春文庫 定価:本体550円+税


清張さんの軍隊経験を盛り込んだ長篇小説

『遠い接近』 松本清張

赤紙一枚で家族も自分の人生も狂わされた山尾信治。復員後、自分を召集した兵事係を見つけだし復讐を誓う。その企ては成功するのか。

文春文庫 定価:本体740円+税


第143回(2010年)直木三十五賞

『小さいおうち』 中島京子

昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。昭和初期、戦争の影濃くなる中でのある一家の秘めた恋の物語

文春文庫 定価:本体650円+税


太平洋戦争をひかえた世相を背景にあざやかに描く

『あ・うん』 向田邦子

神社に並んだ一対のコマイヌのように親密な男の友情と、親友の妻への密かな思慕が織りなす情景。太平洋戦争をひかえた世相を背景にあざやかに描いた長篇。著者が最も愛着を抱いた唯一の長篇

文春文庫 定価:本体570円+税


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