20世紀の日本で、田中清玄のように毀誉褒貶が激しく、波乱万丈な人生を送った人物は珍しい。ある者は、彼を愛国者、英雄と呼び、ある者は、裏切り者、政商と非難する。だが、敵も味方も認めるのは、田中が持つ強烈なエネルギー、比類のない行動力だった。
明治の末、函館近郊で生まれた田中は、東京大学在学中、学生運動に飛び込んだ。23歳で日本共産党委員長に就き、革命をめざして、武装闘争を指揮する。逮捕され、11年を獄中で過ごすが、その間、母親が自殺、これをきっかけに共産主義を捨てた。戦後は右翼の黒幕となり、国内外で反共活動を行う。昭和天皇に密かに拝謁し、皇居へ押しかけた共産党のデモを、ヤクザを送って殴り倒させた。
その後、石油ビジネスに乗り込み、中東の王族や石油メジャーと交渉し、日本にいくつもの油田権益をもたらす。ところが、晩年は地球環境活動家となり、太陽光など再生可能エネルギーに取り組む。また、企業の歪な利益偏重を批判し、資本主義の見直しを訴えた。その友人には、山口組3代目の田岡一雄組長をはじめ、ハプスブルク家当主のオットー・フォン・ハプスブルク大公、中国の鄧小平副首相、ノーベル経済学者のフリードリヒ・ハイエクらが並ぶ。長年の調査と膨大な機密解除文書、インタビューを基に、「東京タイガー」と呼ばれた謎のフィクサーの姿を描く。2022年8月、文藝春秋から日本語で出版。
著者 徳本栄一郎
1963年、佐賀県生まれ。著書にノンフィクションの「1945日本占領」、「エンペラー・ファイル」、小説に「臨界」などがある。
開催概要・申し込み
日時 | 2023年5月11日(木) 午後6時~午後8時半 【開場時間】午後6時(自由席) 【お食事の開始予定時間】午後6時15分頃 【開会】午後7時15分頃 【閉会】午後8時半頃 【閉場】午後9時 |
---|---|
開催場所 | 日本外国特派員協会(FCCJ) 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル5階 https://www.fccj.or.jp/2015-02-02-04-29-17/2014-10-16-03-04-20.html |
料金 | 会員3,000円(税込み、セットディナー、1ドリンク付)/ 一般4,000円(同左) 【メニュー】未定 |
予約方法 | 日本外国特派員協会のフロント宛てにメールをお送りください(front@fccj.or.jp)。 ご予約及びお支払いは5月9日(火)までにお願いいたします。開催時間72時間前からキャンセル料は全額になります。当協会側の理由によるキャンセルを除き払戻は致しかねます。 |
主催 | 日本外国特派員協会(FCCJ) |
その他 | オンライン視聴のお申し込みは受け付けておりません。 ベジタリアンやアレルギーなどお食事制限のある方は、開催日3日前までにフロント(front@fccj.or.jp)にお知らせください。 新型コロナウイルス対策として、エントランスでの検温にご協力ください。手指の消毒もお願いいたします。 (使用言語:日本語、逐次通訳付き、写真・動画撮影、録音はお控えください) |
こちらもおすすめ
プレゼント
-
『皇后は闘うことにした』林真理子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/29~2024/12/06 賞品 『皇后は闘うことにした』林真理子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。