佐伯泰英さんの書き下ろし時代小説300冊目『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』(文春文庫)と、301冊目『陰流苗木 芋洗河岸(1)』(光文社文庫)で、読者の皆さんに、佐伯さんからプレゼントされた特製しおり。もう、お手元にお持ちでしょうか。
『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』のしおりは、表面にヨーロッパの街並にたたずむ佐伯さん。裏面は、鮮やかな赤が印象的な写真でした。
「しおりに使われた写真の全体を見てみたい!」というお声にこたえまして、今回は、佐伯さんが旅先で撮影した写真の全体を公開します!
まずは、表面。以前の記事でお伝えしたように、フェルメールの故郷の街、オランダ・デルフトでの一枚です。古都として知られる街にたたずむ「旧教会」の、年月を感じさせる趣きある建物が見えます。1246年(日本は鎌倉時代)からこの地に建つ教会。フェルメールだけでなく、学者や軍人など、数多くの偉人が眠るお墓があります。実はこの教会、塔の部分が少し傾いていることでも有名です。写真の右上部分にすこし見える塔、たしかに傾いているような……。いつか、現地で体感したいものです!
そして、裏面です。こちらの写真のほうが、しおりで切り取った部分と全体を見たときの印象が違うと感じる方が多いのではないでしょうか。
なんとも鮮やかな赤い花びらたちで構成されたこちらは、照明器具です。パリのカフェの天井で見つけた素敵なインテリア。しおりでの大胆な切り取りは、佐伯さん、編集者、デザイナーが相談して完成しました。佐伯さんが現地を訪れてから6年と少しが経っています。いまもカフェの天井を彩っているのでしょうか。
『陰流苗木 芋洗河岸(1)』のしおりについては、光文社の特設サイトで公開中です! あわせてお読みください。
『芋洗河岸』シリーズに続いて、7月からは、文春文庫にて新シリーズ『助太刀稼業』全3巻の連続刊行を予定しています。今後とも、佐伯作品の読書をお楽しみください!