〈千葉雅也が考える「センスのいい自炊」に必要な“ミニマムなライン”とは?『センスの哲学』大ヒット記念企画〈千葉雅也のセンスにまつわる質問箱〉、いよいよスタート!〉から続く
『センスの哲学』が話題の哲学者・千葉雅也さん。「センス」や「芸術」、あるいは「芸術と生活」について、読者の疑問に応える連載「センスにまつわる質問箱」が始まりました。第2回となる本日は、育児中の37歳の質問に答えます。
【vol.2 子どもをセンスよく育てるには?】
息子(6歳)についてご相談です。親はいたって普通なのですが、彼をセンスよく育てるにはどうすればいいですか?(ゆうゆう、東京都、会社員、37歳)
千葉さんのお答え 子どもにとっての環境全体を豊かに
「センスよく育てる」というのはあまり好ましい表現ではないと思いますが、一般論として、大切なのはいろんなものに触れさせることだと思います。視覚的、聴覚的、言語的な体験を多くさせること。親が子どもと一緒に遊ぶ。それが子どもにとっての環境全体を豊かにするわけです。
とりわけ言葉が大事だと思います。何か見たり、体験するときには、言語化を促す。子ども相手だから工夫が必要ですが、環境全体に言語化の志向性があることが望ましいでしょう。だから親の方が言語化が苦手ならば、まず親も何か勉強する必要があるでしょう。
その意味で言うと、絵本というメディアが有効だと思います。言葉と絵が一緒になっていて、説明的であるというよりは、物語という形でもう少し象徴的に伝わる。マンガもそうです。どこかの段階で生活にタブレットが入ってきてしまうのは仕方がないとして、家には紙のマンガを置いておく。紙の本でマンガを読ませるべきだと思います。先日、ちょうど6歳の姪っ子が自分で『鬼滅の刃』を読み始め、それに伴って、自分一人の時間を確保するようになったと聞きました。
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