〈「なぜクライアントはセンスのある方を選ばないのか?」ダサい案が選ばれてしまう特別な理由を千葉さんが解説!〉から続く
『センスの哲学』が話題の哲学者・千葉雅也さん。「センス」や「芸術」、あるいは「芸術と生活」について、読者の疑問に応える連載「センスにまつわる質問箱」が始まりました。第4回は、“優しさ”にまつわる質問に答えます。
【vol.4 “優しさ”とは?】
“優しさ”もセンスだと思うのですが、千葉さんが考える、優しさの定義、あるいは千葉さんが目指す優しい人間の人物像などがあれば教えていただきたいです。(Ryotaro、東京都、会社員、35歳)
千葉さんのお答え 人間に対してもただリズムを捉えるように接する
この作品はどういう意味があるのか、何のためなのかではなく、それ自体がどういうリズムで出来ているかを見る。リズムは「意味の手前」にあると『センスの哲学』では説明していますが、人間のあり方に対しても、ただリズムを捉えるように接することがひとつの優しさだと言えるかもしれません。とくに「話を聞く」こと。結論を急がず、よく話を聞いて、ちょっと冗談を言ったりしながら、まずは受け止める。議論するのではなく、一緒に考える。リズムとして展開されるような会話を共にすることは、優しさではないかと思います。
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