
- 2025.06.06
- 特集
「まるで鋭い凶器に何度も切りつけられるような感覚」「心の内は今も震えている」塩田武士さん最新刊『踊りつかれて』に圧倒された書店員による感想2万2000字を一挙大公開!
『踊りつかれて』(塩田 武士)
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
1 蔦屋書店茂原店 松浦直美さん
『安全圏のスナイパー』になる可能性は誰にでもある。あなたも私も。誰かの言動で人生が狂わされるのは、とても恐ろしい。
2 広島蔦屋書店 江藤宏樹さん
まさに今多くの人が気づきかけていることやなんとなく思っていることをズバリと言語化していた。1冊の本を読んだだけなのに、3冊いや、4冊ぐらい読んだ気がする。
3 福岡金文堂志摩店 伊賀理江子
関係に名前など無くとも、胸が震えるのは疑いようもなく愛だ。
物語のなかにひとの尊厳としての究極をみた。
現代の狂気的SNS時代に、この作品は畏怖となるのか光となるのか。
4 宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
言葉が出てこない。それぐらい衝撃でかつ重厚な一冊だった。
私たちも言葉が持つ意味、影響、すべて考えていかなければいけない。
誰もが無責任に発言できる場所はないのだ。
5 うさぎや矢板店 山田恵理子さん
塩田さんの描く社会派小説が好きで、一気に読んだ! 時代の闇に炙られ、今やSNSの波に踊らされる恐怖と、哀しくも至純の光が胸に広がる。尊き命への問題提起と人間愛が伝わってくる作品だ。
6 紀伊國屋書店ゆめタウン博多店 富田智佳子さん
きっとバレないだろうと安易に投稿してしまう恐怖、プライベートをネットに晒されてしまう恐怖を感じながら、天童ショージ、奥田美月とはどんな繋がりなのか、判決はどうなるのか気になりながら読みました。
7 HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎さん
まさに今の世の中で読まれるべき。SNS上に溢れた匿名の悪意がどのようにして人を死に至らしめるのかが、克明に描かれている。
歪な現代を鏡のように写し取り「このままではいけない」と思わせてくれる作品だ。
8 TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店 中江敬子さん
正しい事を貫く時それは価値観の違いで天にも地にもなり得、人生を生ききるという大事な事が他人に侵される不条理がとても悲しい。
現代社会への警笛を激しく鳴らしているこの本をゆっくりじっくり逃さないように読んだ。
9 幕張蔦屋書店 後藤美由紀さん
私がSNSに対して思っていること感じていることが、全て、この作品の中に込められていて胸のすく思いでした。でも、それだけでなく、小説としても読みごたえたっぷりでした。今のSNS社会に一石を投じる作品になって欲しいと思います。
10 紀伊國屋書店エブリイ津高店 髙見晴子さん
これを文春さんで?? いいの? 大丈夫? とおそるおそる読みました。
メディアやSNSにふり回される時代。匿名だからこその世界。
「好き勝手言ってんじゃねーよ!」と逆に塩田先生からの宣戦布告の様に受け取れました。
興味深い作品でした。
11 未来屋書店入間店 佐々木知香子さん
現在、生活の一部に食い込むSNS。
誰でも簡単に発信できるアイテムが匿名の盾を防御に人を攻撃する武器になった。
本作からの問題提起と各所に流れる音楽が切なくもあり、希望を持ちたいと思わせてくれました。
社会派の金字塔がまたひとつ生まれた。
12 CHIENOWA BASE 鈴木智春さん
序章の宣戦布告から心をぐっと持ってかれる。
週刊誌の罪、SNSの罰、言葉の凶器、決して他人事ではない現代の問題を小説でじっくりと考えさせられた。
そして、恨みや悲しみだけではなく人間愛を感じる壮大なストーリー、読み終わってしばらく呆然とした。
13 八重洲ブックセンター宇都宮パセオ店 坂本知子さん
SNS上の学級会みたいな、息苦しい今の幼稚な『正義』
私が子供の頃、大人は傍若無人に見えていた。自由だと思っていた。
今、子供達は大人の私達がどう見ているのだろう。
実際に向き合うこと、目に見えている事が全てではない事。
ラストシーン、痺れました。
14 大盛堂書店 山本亮さん
善意から悪意へ。畏怖から暴力へ。
他者の本心をじっくり推察するのを許されず、色々な感情がどす黒い渦に呑み込まれるのを呆然と眺める。
正義と良心を悪魔へ売り渡す者達と、大切な想い出を必死に守る者達が対立し、ある時には行き交う様に言葉も無く圧倒された。
15 田村書店吹田さんくす店 村上望美さん
安易なゴシップ記事とSNSの安易さに、被害者と加害者、
どちらにも他人事でない恐ろしさを感じました。
全体的にはそちらのイメージが強烈なのですが、個人的には弁護士事務所の面々がとてもコミカルで柔らかく、きついストーリーを和ませていてくれてとても読んでいてホッとしました。
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『いけないII』道尾秀介・著
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