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「まるで鋭い凶器に何度も切りつけられるような感覚」「心の内は今も震えている」塩田武士さん最新刊『踊りつかれて』に圧倒された書店員による感想2万2000字を一挙大公開!

「まるで鋭い凶器に何度も切りつけられるような感覚」「心の内は今も震えている」塩田武士さん最新刊『踊りつかれて』に圧倒された書店員による感想2万2000字を一挙大公開!

『踊りつかれて』(塩田 武士)


ジャンル : #エンタメ・ミステリ

まだ続きます!

16 未来屋書店高の原店 元尾和世さん

ずっと頭にあったのは、アンデルセンの赤い靴。
魅せられて、引き寄せられて、踊るしかないのだ。
踊りつかれても止められなくて、足を失うまで、死に許されるまで踊り続けるしかない。
大切なものはどこにあるか。私たちもSNSに魅せられ踊り続けている。
そんなことを突き付けられました。

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17 紀伊國屋書店西武東戸塚S.C.店 鶴見祐空さん

もうずいぶん前から踊りつかれている。SNSに。ネットニュースに。
もういい、もういいよと願うのもつかれた。
ネット社会に対する圧倒的な敗北感でかき消された怒りに、絶望に、かなしみに、この作品は言葉を与えてくれました。
こんな作品が書かれることをどこかでずっと待っていたように思います。

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18 旭屋書店池袋店 藤田真理子さん

ネット社会に強烈な警鐘を鳴らす一冊。自分が許せないと考えるものは何なのか。
許せないと感じた時にどれほど冷静でいられるのか。他人の価値観をどこまで尊重出来るか。それらをじっくり見つめ直すきっかけとなりました。登場人物の考え方が合わないと感じる部分も結構あったのですが、それを含めてとても考えさせられる作品でした。

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19 コーチャンフォーミュンヘン大橋店 早坂千尋さん

ブログに突如書かれた「宣戦布告」から、すぐに引き込まれました。
真偽不明の情報に対して、真実を確かめる、想像力を働かせる、ブレーキをかける、
目の前に人がいたらあたりまえにできることがネットの中では出来ずに、
ひとを追い詰めていく。怖さを感じながら読む手が止まりませんでした。
「生きてこそ」という言葉に涙をこらえることができませんでした。

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20 紀伊國屋書店アリオ鳳店 吉原朋子さん

間違いなく今年最大の衝撃作。
ネット社会で踊っているつもりが、いつの間にか踊らされ、ついには踊りつかれた私たち。
「安全圏のスナイパー」、「芯のない正しさ」
突きつけられる言葉に胸が締めつけられる。
ただ、苦しみの中、それでも必死に生きようとする人の強さや、心ある人たちのやさしさや愛を感じることもできた。
いま、広く読まれるべき本、どうしても届けたい本。

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21 コーチャンフォー新川通り店 木村美葉さん

リアルすぎて怖い。私たちは言葉に救われることもあれど殺されることもある。
現実のおそろしさや心の疲弊に無自覚でいると、いつでも“安全圏のスナイパー”になりうる。本当に怖い。私たちはその現実と向き合わなくてはいけない。“他人”ではなく“生身の人間”として見ることがいかに大切であるか改めて考えるきっかけをもらいました。ラストの踊るシーン、心にずしっときました。

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22 明屋書店厚狭店 小椋さつきさん

最近ネットリテラシーの低い人が多いなと感じる。
今も新たな火種に飛びついて好き勝手言っている人々に、
この物語を届けるにはどうしたらいいのだろう。
読んで欲しい人にはなかなか届かないもどかしさ。
自分も自信はないけれど、自戒も込めてこの作品を胸に刻んでおきたい。

どんな人にも人生があって、大事な人がいて関わってきた場所がある。
相手の背景を常に想像しながら行動したい。

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23 紀伊國屋書店天王寺ミオ店 西澤しおりさん

一度さらけ出された情報は二度となかったことに出来ない恐ろしさを、
冒頭の「宣戦布告」で思い知らされた。
自分がやったわけではないのに、ごめんなさいごめんなさいと謝りながら読み進めた。
SNSとは何のためにあるのだろう?
「正しさ」なんて誰にも答えられないのに、ネットの中では無数の正解が不気味に渦巻き、匿名の仮面を被った「正義」に容赦なく切り刻まれる。気が変になりそうでした。

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24 平安堂若槻店 上村祐希さん

インターネットが普及したことによって、より可視化された『匿名』の持つ暴力の描写が恐ろしく、それに対しての怒り、憤りを強く感じました。
性別年代に関わらず、小さな悪意が増長し、そうやって起きた悲しい出来事は現代社会でも多く取り上げられます。
誰もが仮面をつけて発信できるこの世の中だからこそ、自身の言葉というものには良くも悪くも影響を与えてしまうのだと実感させられました。

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25 ジュンク堂書店松坂屋高槻店 西本裕子さん

最後まで読み終わった後に、冒頭の「宣戦布告」を読み返した。
本当にあの人がこれを書いたのか……と改めて信じられない気持ちになった。
やむにやまれぬその思いの大きさに打ちのめされた。どう考えてもおかしいことが当たり前になってしまっているのが今の世の中なんだな…….と思った。
「ブレーキが重要」という瀬尾さんの言葉は自分にも刺さった。
ずっと重たかったのでラストは良かった……と心から思えました。

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26 ブックセンタークエスト小倉本店 竹内裕美さん

表紙の情報を見ただけで、心がどしんと重くなってしまうテーマ。
SNSをきっかけにした事件を知るたびに、苦々しい思いがする。
人間として生きていくには「ことば」を使い、「ことば」を浴びていくことから逃れることはできないと思う。どんな人でも加害者・被害者になりうる。SNSだけ気を付ければいいという訳ではない。本という「ことば」を売る書店員としても、一人の人間としても、真剣に「ことば」と向きあおうと思う。

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27 くまざわ書店南千住店 鈴木康之さん

インターネット上もはや現代では行っても不思議ではないテロが行われた。
SNS上で誹謗中傷をした83人もの人の個人情報がさらされた。
自殺者までも出る目に見えない恐怖の始まりである。
天童ショージ、奥田美月は犠牲者である。後半の物語の進行は大河ドラマのような迫力がありました。
こんなに怖い小説はいまだかつてない。最高傑作だと思いました。あなたも読んで恐怖を感じて下さい。
そして「踊りつかれて」の深い意味を知って下さい。

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28 須原屋コルソ店 大瀧裕子さん

俗悪で厭らしい文章から始まり、優美で清らかなラストシーン。
同じ一冊の本で全く異なる印象で、よく、ここまで辿り着いたよ……と感心してしまいました。
SNSの恐ろしさが、自分の事として感じられました。
人生経験の長い我々年輩者が指導していくべきところなのでしょうが、
若者のほうがよっぽど熟知していて、教えてもらう始末。
楽しい部分だけでなく、闇の部分をしっかり伝えなければ……
気ばかり焦ってしまうのでした。とても面白かったです。

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29 紀伊國屋書店札幌本店 関咲蘭さん

文字だけで、指一本で、研ぎ立てられた言葉のナイフを見ず知らずの人にまで突き付けることが出来てしまう現代。
だからこそ、私たちは自分の言葉のひとつひとつに責任を持たなければいけないし、情報の海から何を信じ何を疑うかを選別する力も必要とされる。
「そんな当たり前のことも忘れているならさっさと思い出せ」と、強く平手打ちをされた感覚でした。
小説を通して現代社会に大きな警鐘を鳴らさんとする塩田武士の強い決意に、頭が下がる思いでした。

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30 高坂書店 井上哲也さん

著書の十八番『リアルフィクション』で、現代のマスコミとSNSの闇を晒す。

本作は直ぐそこにある緊張と恐怖の現実を、緻密な取材と膨大な情報の解析によりエンターテインメントにまで高め上げた、見事な物語であり、令和の今だからこそ、より多くの人に読んで貰うべき作品である。
立ち止まって、深呼吸して、今の自分自身を見つめ直す時間が、誰しも必要であろう。
序章から終章まで、息をもつかせぬ展開の連続で、500頁近いボリュームを微塵も感じさせない、正に超弩級の一気読み小説。

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単行本
踊りつかれて
塩田武士

定価:2,420円(税込)発売日:2025年05月27日

電子書籍
踊りつかれて
塩田武士

発売日:2025年05月27日

プレゼント
  • 『いけないII』道尾秀介・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2025/06/04~2025/06/11
    賞品 『いけないII』道尾秀介・著 5名様

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