朝井リョウさんの大人気エッセイシリーズ「ゆとり三部作」に寄せられた感想募集キャンペーンに、たくさんのご参加をいただきありがとうございました。
2025年9月17日~9月30日にかけて実施したこのキャンペーンでは、皆さんから、シリーズの感想とともにお気に入りのエピソードを募集。350件以上寄せられた回答をもとに、人気エピソードのランキングを作成しました。

◆キャンペーンの詳細はこちら
今回は、第5位から順番にランキングをご紹介します!
第5位:地獄の100キロハイク(『時をかけるゆとり』収録)
埼玉県本庄市から早稲田大学までを2日間かけて歩き通す(常軌を逸した)伝統行事、「100キロハイク」。当時大学生だった著者は意気揚々と参加したが――。
〈皆さんの感想〉
「学生時代だからこその全力でバカする楽しさ、充実感、しょうもなさ、全てが詰まったエピソードだと思います」
「イベント自体の鬼畜さ、それをやり切ってしまう大学生の体力の持て余しっぷり、お腹が弱いという朝井さんの特性を存分に活かしたオチ」
「先日、「地獄の100キロハイク」に倣って「小地獄の33キロハイク」を友人と開催しました」

第4位:腹と修羅(『そして誰もゆとらなくなった』収録)
まさに「修羅」としか言いようがない、会社員時代の著者を襲った悲劇のメモワール。
「お腹の話でこんなに感情を揺さぶられるとは!」という声も多く寄せられました。
〈皆さんの感想〉
「そこにあったのは輝かしい物語ではなく、職場の大事な飲み会で腹を下して散る一人の作家の姿である」
「「腹と修羅」を読んだ後、あまりの面白さに一旦本を閉じ、部屋の中をウロウロしたのを覚えています。単に面白いというだけでなく、「なんで自分ってこうなのか、真面目に頑張っててなんでこんな目にあうのか」という悲しさもあり、身に覚えがありすぎて泣きそうになりながら、でもその悲しみはおかしみと紙一重なんだ、後から笑い話にできればあのときの自分が少し救われることもあるんだ、と勇気づけられました」
第3位:空回り戦記~サイン会編~(『そして誰もゆとらなくなった』収録)
「朝井リョウさんのサイン会はまた一味違うなぁ!」――そう思われたい一心で、あることを画策した著者。その驚愕の内容と参加者の反応は……。
「何事も一生懸命で最善を尽くして行動されているのに、そこでちょっと引かれてしまうお茶目な朝井先生の魅力が詰まったエピソードで大好きなお話です」
「サイン会のエピソードも最初は「えー! 朝井さん優しい! なんてマメでファン思いなの~!」と思ったのも束の間、確かに自分がその場にいたら同じ反応しちゃうよなぁと妙に納得してしまいました(笑)」

第2位:ホールケーキの乱(『そして誰もゆとらなくなった』収録)
自称“生粋の甘党(過激派)”である著者。クリスマス商戦の最高のカモとしてホールケーキを予約しまくった結果、非常に奇妙な後味を残すとある“事件”に遭遇する。
〈皆さんの感想〉
「19日間でホールケーキを1人で5つ食べるという偉業に思わず「え? 本当に言ってるの……?」とかなりの甘党の私でも困惑しました。ですがその後、そんな考えをぶっ飛ばされるくらいしっかり爆笑させていただきました」
「これからも朝井さんのなんとか健康を保てる範囲内のホールケーキライフを応援しつつ、新作を楽しみにしております」
第1位:肛門記(『風と共にゆとりぬ』収録)
圧倒的得票数、堂々の第1位。文庫本で70ページ以上が費やされた、破壊と再生の痔瘻手術体験記。
〈皆さんの感想〉
「以前から肛門に違和感を感じながら日々の生活をしていたところ、ちょうどこの本に出会いました。そろそろ病院に行こうかな? まだ大丈夫かな? と思っていましたが、「肛門記」を読んで早めに病院に行こうと考えるようになりました。一歩踏み出す勇気をくれた一冊です。(まだ病院には行っていません)」
「父親が痔瘻の手術をしたことがあるので、「肛門記」だけでも読んでと勧めたら、共感ばかりだったようで大笑いしていました」
「切れ痔に罹患したとき、すがる思いで「肛門記」を読み漁りました。私にとって、「肛門記」は聖書です。」

『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』『そして誰もゆとらなくなった』で構成される「ゆとり三部作」。まだ読んだことがない方も、すでにファンという方はもう一度、この機会にぜひ手にとってみてください。