“エリートVS大衆”が広まる今、リーダーに求められる素質とは
『新・リーダー論 大格差時代のインテリジェンス』 (池上彰・佐藤優 著)
『新・戦争論』『大世界史』に続く、累計50万部を突破した最強コンビの第3弾、今回のテーマは“リーダー”です。
アメリカのドナルド・トランプ勝利、フィリピンのドゥテルテ大統領誕生から見て取れるように、大衆の間に“強いリーダー”を求めるポピュリズムが生まれてきています。格差の拡大、階層の固定化によって“エリートVS大衆”という対立が激化する中、リーダーやエリート、組織のあり方はどうあるべきか? 2人のインテリジェンスが語り尽くします。
■特集(本の話WEB 2016.11.11)
トランプ大統領で世界はどうなる? 日本はどうする?
日本人の知らない、トランプの本当の姿が明かされる
『トランプ』 (ワシントン・ポスト取材班、マイケル・クラニッシュ、マーク・フィッシャー 著/野中香方子、池村千秋、鈴木恵、土方奈美、森嶋マリ 訳)
今年を象徴する国際ニュースといえば、やはりアメリカの大統領選が挙げられます。多くの人の「なんだかんだ言ってヒラリーでしょ」という予想を裏切り、ドナルド・トランプが勝利を収めました。数々の差別発言、暴言で話題を集めたトランプとは、一体どんな人物なのか――。
ワシントン・ポスト紙の記者20人以上が徹底取材し、トランプの実像に鋭く迫ったのが本書です。本人が「Don't buy, boring!(買うな、退屈な本だ!)」とTwitterで不買運動を呼び掛けたことでも話題に。これからのアメリカを率いる人物の、知られざる事実が明らかにされます。
■解説(本の話WEB 2016.10.06)
一流のジャーナリストたちが結集。徹底取材でトランプの全てが暴かれる!(文:坪井真ノ介|文藝春秋)
今日的現象の根っこには“グローバリズムの限界”がある
『問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論』 (エマニュエル・トッド 著/堀茂樹 訳)
今年1年で、アメリカ大統領選に並び世界に衝撃を与えたのが、イギリスのEU離脱。この結果は、“グローバリズムの限界”に起因するとトッドは指摘します。さらに、世界中で起こっている諸問題の多くもやはり、同じ原因によって起きていると説きます。テロ、移民、難民、人種差別、経済危機、格差拡大、ポピュリズム――。
ソ連崩壊、リーマン・ショックなどを予言したトッドの、最新見解を集めた日本オリジナルの時事論集です。
■解説(本の話WEB 2016.09.24)
グローバリゼーションに耐えられなくなった英米社会――トランプ旋風と英国(文:編集部)
15年間で3度も対外政策を転換した中国の次なる路線
『中国(チャイナ)4.0 暴発する中華帝国』 (エドワード・ルトワック 著/奥山真司 訳)
今年8月には、中国海警局公船と漁船が尖閣諸島の接続水域に侵入するなど、日本とは緊張状態が続く中国。2000年以降から「平和的台頭」(中国1.0)路線を採ってきたこの国は、2009年頃「対外強硬」(中国2.0)にシフトし、2014年秋以降は「選択的攻撃」(中国3.0)に転換。そして、来たる「中国4.0」は――。
危険な隣国の未来を、世界最強の戦略家・エドワード・ルトワックが予言します。
■著者は語る(週刊文春WEB 2016.05.18)
世界的戦略家が“大国中国”を斬る
物理学者から首相、欧州の女帝へ登り詰めたメルケルの謎に迫る
『世界最強の女帝 メルケルの謎』 (佐藤伸行 著)
米経済誌『フォーブス』が毎年選ぶ「世界で最も影響力のある女性」で、2011年から6年連続1位に選ばれているドイツの首相、アンゲラ・メルケル。その生い立ちは、西ドイツで生まれ、生後間もなく東ドイツへ移住、「ベルリンの壁」崩壊までの35年間を東ドイツで過ごし、大学卒業後は物理学者に――という、政治家としては異色なもの。その実像は、神秘のベールに包まれています。
地味な物理学者がドイツ初の女性首相へ登り詰め、“欧州の女帝”と呼ばれるに至ったのはなぜか? 驚異の政治力の源泉に迫ります。
■自著を語る(本の話WEB 2016.03.02)
中韓の術中に嵌まるなかれ
「私はシャルリ」デモが象徴するフランス、西欧の危機とは
『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』 (エマニュエル・トッド 著/堀茂樹 訳)
2015年1月に起こった、『シャルリ・エブド』襲撃事件をきっかけに、フランスでは“表現の自由”を掲げた「私はシャルリ」デモが行われました。本書は、このデモが実は、自己欺瞞的で無意識に排外主義的であることを統計や地図を駆使して証明。フランスで起こったこの危機は、西欧先進国にも共通しており、欧州が内側から崩壊しつつあることに警鐘を鳴らしています。
フランス人である著者が、自国内のメディアをすべて敵に回す危険を顧みずに書かれた本書は、高度な学問的著作であると同時に著者渾身の歴史的傑作と言える一冊です。
■今週の必読(週刊文春WEB 2016.03.07)
真っ暗なヨーロッパの未来図(文:佐藤優│作家・元外務省主任分析官)
日本社会に垂れ込める“子どもの貧困”という暗雲
『徹底調査 子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃』 (日本財団 子どもの貧困対策チーム 著)
日本国内に目を移すと、NHKが放送してバッシング騒動が起こった“子どもの貧困”が社会問題化しています。6人に1人の子どもが貧困であると言われ、他人事だと放置すれば43兆円が失われるとも。「かわいそう」などという感情的な問題だけでなく、私たち一人ひとりの生活を直撃する重大な社会問題であると著者は指摘します。
本書では、すでに発表された経済的インパクトに関するレポートの解説、当事者へのインタビューを実施するとともに、国内外での取り組み事例の紹介、日本が取るべき対策にまで踏み込みます。
子どもを守るために――児童相談所元職員による覚悟の告発
『告発 児童相談所が子供を殺す』 (山脇由貴子 著)
虐待された子どもの“最後のとりで”となる児童相談所ですが、「何度も通報していたのに虐待死してしまった」という例が後を絶ちません。なぜ、“最後のセーフティーネット”は虐待を見過ごしてしまうのか? 人手・専門家不足など、ハード面の限界は各メディアでも言われていますが、問題の本質は児童相談所の体質そのものにあると、著者は指摘します。
19年にわたり心理司として児童相談所に勤め、2000人以上の子どもと接してきたプロフェッショナルが、子どもたちの悲痛なか細い声を交えながら、満を持して問題のすべてを論じます。
■自著を語る(本の話WEB 2016.12.21)
子どもを全力で守るために
若者の就職を“雇用のカリスマ”がまるごと解説
『お祈りメール来た、日本死ね 「日本型新卒一括採用」を考える』 (海老原嗣生 著)
電通社員の痛ましい過労自殺によって、働き方を見直す機運はますます高まっています。日本の雇用、働き方にはどこに問題があるのか――。
本書では、社会人の入り口となる新卒一括採用に焦点を当てています。書名の“お祈りメール”とは、企業が不採用を告げるメールの末尾に「今後のご活躍を“お祈り”しております」と慇懃な定型文を付けることから付いた不採用通知の“愛称”。世界的に見ても珍しい形態である新卒一括採用について、歴史・データ・海外比較を駆使して、多角的に「採用問題」を解き明かします。
■インタビュー・対談(本の話WEB 2016.12.26)
「日本死ね」とつぶやく学生をとりまく採用のからくり
年が明けると、1月にドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任します。欧州では3月にオランダ総選挙、4~5月にフランス大統領選挙、8~10月にドイツ総選挙と、立て続けに重要な政治イベントがあります。各国の現状、課題について、多方面から知る一助になりましたら幸いです。
明日は、芸能・エンタメ分野の振り返りも兼ねて、12月31日に放映される「第67回NHK紅白歌合戦」出演者の関連本をご紹介します。どうぞお楽しみに!
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。