まずは『玉座の烏』の年内発売をお待ち頂いていた皆様に、心よりお詫びを申し上げます。

 「2026年刊行」と告知しておきながらその約束が果たせず、さらに実際の刊行が来年5月という先になってしまい、本当に申し訳ございません。こうなってしまったのは、全て作者阿部智里がそれに間に合うように原稿が書けなかったせいです。力不足により、多くの方をがっかりさせ、関係者の皆様にも大変なご迷惑をおかけしてしまったことを、ここに深くお詫びいたします。

 ひたすら深謝の中で一点、前向きなご報告をいたしますと、『玉座の烏』の初稿(編集さんや校閲さんから疑問点などの指摘が入っていない最初の原稿)は、この告知を書いている10月初旬時点で既に完成しております。

上下巻あわせて700頁超となる予定です

 しかしながら、初稿が商品の「本」として皆様のお手元に届くまでには、多くの工程とたくさんの方のご協力が必要です。ただでさえ今回は14年間続いてきたシリーズの本編最終巻、例年の倍の上下巻、それも予定よりかなり枚数が増えてしまった――という状態でして、単純な作業量だけでも既刊をはるかに凌ぐ労力と時間を要することは既に目に見えております。初稿に「完」の字を書き込んだ時点で、今からの年内刊行はどうあっても不可能、という時期になってしまっていたのです。

 皆様をお待たせしている以上、一分一秒でも早くお届けしなければならないという思いは当然あります。同時に、ここで焦り、自分でも画竜点睛を欠いたなと感じるようなものを皆様にお届けすることもまた、絶対に避けたいと考えております。

 結果として、諸々の状況を鑑みての2027年5月上下巻同時発売ということになりました。

 こんなにお待たせしてしまい本当に申し訳ないのですが、かくなる上は作家として後悔のないよう、可能な限り完成度を高めた形で皆様に『玉座の烏』をお届け出来るよう力を尽くして参ります。

 全ての元凶である私の口からこれを申し上げるのは非常に心苦しいのですが、どうか今しばらくお待ち頂ければ幸いです。


©阿部智里

阿部智里(あべ・ちさと) 1991年、群馬県前橋市生まれ。早稲田大学文化構想学部在学中の2012年、『烏に単は似合わない』で松本清張賞を史上最年少で受賞。17年、早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く壮大な和風大河ファンタジー「八咫烏」シリーズは現在は第2部へと突入、外伝も含めて『亡霊の烏』で13冊を数える。24年、吉川英治文庫賞受賞、4月からNHKアニメ「烏は主を選ばない」が放送された。ほかの作品に『発現』など。

【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc

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