- 2016.07.27
- インタビュー・対談
AIは雇用を奪うか? その時、私たちの暮らしは? 人工知能時代の経済を問う!
「本の話」編集部
『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』 (井上智洋 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
「人工知能が発達したら、私達の仕事は無くなってしまうのか?」 『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』は、世界中の労働者が不安に思っている疑問に答えます。著者は、マクロ経済学の観点から人工知能(AI)が経済・社会に与える影響について研究している井上智洋氏。今回は、駒澤大学経済学部で同じポストの前任者という間柄であり、コメンテーターとしても活躍する飯田泰之氏とのスペシャル対談が実現しました。いま最も注目される経済学者による白熱議論をお楽しみください!
「社会はどう変わるのか?」まで論じた本
飯田 井上さんにしか書けない、すごく面白い本だと思いました。推薦文にも「人工知能によって経済は、社会は、政治はどこに向かうのか? 未来を知るための必読書」と書きましたが、やはり本書の最大の特徴は、人工知能(以下AI)によって「社会がどうなるか」「そしてどのような経済政策が必要になるか」まで突っ込んで論じた点だと思います。
井上 ありがとうございます。飯田先生とは駒澤大学での前任・後任という関係で、普段からお世話になっていますが、今日もよろしくお願いします。
飯田 いま、AIについては、極端な二つの議論に分かれてしまっていると思うんです。一つは、開発当事者である技術者・研究者の方が書かれる「AIの発展によって未来はバラ色になる」という楽観論。もう一つは、人文系の先生方による「AIの技術的問題についてはよくわからないけれど、とにかくひどいことになりそう」という悲観論(笑)。で、その二つの間を繋ぐものがないんですね。ビジネス書ジャンルも「インダストリー4.0が起きる!」という煽りで、企業の個々の事例を積み上げて、経済は成長する、などと書きますが、個々の事例集では社会の全体像は見えません。ある企業の収益が大きくなっても、社会全体は失業者だらけかもしれませんからね。この本はそうした論壇に一石を投じる意味もあると思います。
井上 実は本書が生まれたきっかけは、飯田先生が主宰するWEBメディア「シノドス」に、「機械が人間の知性を超える日をどのように迎えるべきか?――AIとBI」という記事を書いたことだったんです。それを読んだ文春新書の編集者の方が執筆を依頼してきたんです。
飯田 そんなご縁もあったんですね。シノドスが目指すことの一つが気鋭の論者の紹介なのでうれしい限りです。ともあれ、井上さんが情報系の学部を出て、元IT技術者としてAIに携わり、その後マクロ経済学者になったという異色の経歴が、この本を書かせたとも言えます。
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。