- 2016.04.01
- 書評
LINEを爆速成長させた元CEOが明かす 飛躍する「狂気」を教えてくれた本
文:森川 亮 (LINE元CEO、C Channel CEO)
『新世代CEOの本棚』 (堀江貴文・森川亮・朝倉祐介・佐藤航陽・出雲充・迫俊亮・石川康晴・仲暁子・孫泰蔵・佐渡島庸平 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
CEOとしてLINEを率い、現在はC Channel CEOを務める森川さん。LINE躍進の秘密をまとめた自著『シンプルに考える』は、ベストセラーに。そんな森川さんが、経営者としての自分を磨き抜くために、繰り返し読む本とは?
僕が長期的に影響を受けている本のうちの1冊が、『7つの習慣』です。同書を読むだけではなく、著者であるコヴィー博士のセミナーも受け、フランクリン・プランナーの手帳も使っています。
僕たちは毎日忙しくて、つい目の前の仕事ばかりやってしまうけれど、それだと自分が本当にやりたいことはできない。そのための時間が確保できないからです。だからこそ、最終的なゴールから逆算して、今やるべきことを忘れずに実行するように、スケジュールを立てて手帳に書いておく。そういう行動様式ができあがったのは、完全にこの本の影響です。
ちなみに、僕は今、手書きの手帳を2冊併用していて、先ほどのフランクリン・プランナーと、もう1冊はGMOインターネットの熊谷正寿さんによる「夢手帳」です。熊谷さんの『一冊の手帳で夢は必ずかなう』を読んで以来、使い勝手がいいので、ずっと愛用しています。
具体的には、自分が使うおカネと時間について毎週あらかじめ計画を立て、1週間が終わると、実際に何にいくらの金額とどれだけの時間を使ったか、その誤差を分析して、自分のクセをつかむようにしています。
人間は弱い生き物だから、どうしても楽なほうに流されてしまう。もちろん、僕も放っておいたらそうなる。
僕は自分を信用していない。だからこそ、楽なほうに流されないように、自分の行動を常にチェックしているのです。
また、僕はこれまでの起業家人生でたくさん失敗を経験してきたので、これ以上時間をムダにしたくないという気持ちが強くあります。失敗するのは仕方ないけれど、同じ失敗を繰り返してはいけない。
手帳に全部書き出して分析しているのは、同じ失敗をしたくないという意味合いもあります。
加えて、手帳にはその日に食べた物も書き込みます。昔はラーメンが好きで、よく食べていましたが、食べ物の本によるとラーメンはやはり身体に悪いらしい。そこで、ラーメンを避けるために、僕はどんなときにラーメンを食べたくなるのか分析しました。
すると、ラーメン店が多い通りを歩くと吸い寄せられるように店に入ってしまうことがわかった。だから、絶対にそこは通らないし、ラーメン特集が多い夜のテレビ東京は見ないと決めて、あたかもラーメンという食べ物が存在しないかのように振舞っています。そうしているうちに、ラーメンを食べたいとは思わなくなります。僕は、そういう小さな改善を一個ずつやっているわけです。
日々、小さな改善をすること、細部にこだわるのには、高速で走っている新幹線はひと粒の石ころでも大事故につながるとの思いがあるからです。
なるべくそういう障害を排除していかないと、高速で物事を処理するのは難しい。ネットやメディアの世界はスピードが命ですから、自分の時間をすべて使い、できることは全部やってようやく勝負になると思っています。
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