――「逆境を笑え」というタイトルに込めたのは、どんな想いだったのでしょうか。
川崎 逆境、いいじゃないか。笑っていこうぜ、ということかな。笑っちゃえば、逆境なんて何もなくなる。そりゃ、おれにも笑えないと思うときだっていっぱいあるけど、そんなときは強がっての苦笑いとか、無理しての作り笑いが大事。笑いにもたくさんの笑いがあるからね。逆境のとき、おれはみなさんに苦笑い、作り笑いをオススメします(笑)。
――プロ野球のホークスで活躍し、2度出場したWBCでは日本の連覇に貢献、尊敬するイチロー選手を追ってメジャーに挑戦した川崎さんはどんなとき、逆境を感じるんですか。
川崎 だから、なーんも逆境なんてない(笑)。笑ってるから、逆境がなくなる。マイナー契約もベンチスタートも、逆境じゃないよ。疲れるけど、逆境じゃない。英語をしゃべれないことも、ミーティングで何言ってるのかわからないことも、困ったことではあるけど、逆境ではない。
――そうやって、厳しい環境でもこんなのは逆境じゃないと切り替えることができるのはなぜなんですか。
川崎 いや、何も切り替えてないよ。おれは切り替えない。
――えっ、切り替えない?
川崎 当たり前。そりゃ、エラーしたら悔しいし、三振したら引きずるよ。でも、その後もやらなきゃいけないでしょ。エラーして、三振して、帰りますって言えるなら切り替えられるかもしれない。でも、そこでそのままグラウンドに立ってなきゃいけないんだから、切り替えられるわけがない。切り替えずに、引きずって、次のボールとどう向き合うか。そうやってハラを括らなくちゃならない。元気出さなくちゃいけない。引きずりながら、そうしなくちゃいけない。
――川崎さんのそういう発想が、この本の帯にあった“アメリカ人よりポジティブ”と言われる所以ですよね。
川崎 考え過ぎちゃうと、できなくなることもある。考えない方がいいことだってあるんだよ。考えてやる人の方がエライという人がいっぱいいる中で、考えてない人もいるということ。「ああ、やっちまった」「人間だもん、仕方ないよ」って思えば、きっと大丈夫。
逆境を笑え
発売日:2014年12月26日
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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