インタビューほか

映画「真夏の方程式」のプロデューサーに聞いた「活字の力、映像の魅力」

鈴木 吉弘 (映画プロデューサー)

『真夏の方程式』 (東野圭吾 著)

『真夏の方程式』 (東野圭吾 著)

 それから東日本大震災の影響も大きかったですね。科学技術の発展と自然破壊、あるいは人間の幸せ、というのが大きなテーマですが、震災後の日本にはまり過ぎてしまって、便乗企画に見えてしまうのではないか、という危惧があった。単行本の刊行が2011年6月で、当時は、震災の傷跡がどれほどのものになるか分かりませんでしたから。

 でもさらに数ヶ月議論を重ねて、内容的には何ら問題ない、むしろこういった作品を世に出すべきではないか、ということになりました。

 そして映画化の作業に入るわけですが、まず直面するのが尺の問題です。あの本を忠実に映画化しようとすると10時間かかる(笑)。8割カットして2時間にするのが映画化の作業なので、最低限どこを残さないといけないのか、という発想になります。それから小説のガリレオシリーズは基本的に群像劇で、複数の人の目線で事件全体を描いていくけれど、映像化の際は湯川を中心に置いて話を進めないといけない。そこが大変なんです。この作品では、事件現場の町にいる湯川と、東京で捜査している草薙とが完全に分かれてしまっている。東京の部分は、大胆にカットするしかないわけです。

【次ページ】東野さんも映像で見たかった!?


 こちらもおすすめ
ニュース【結果発表!】ガリレオ誕生20周年&『沈黙のパレード』刊行記念キャンペーン「マイ・ベスト・ガリレオ」第1位はあの作品!(2018.11.19)
書評かつてない復讐劇──中江有里が6年ぶりのガリレオシリーズを読む 中江有里が『沈黙のパレード』(東野圭吾 著)を読む(2018.11.22)
インタビューほか短編小説を長編に大改稿──ついに誕生した最高の「ガリレオ」(2015.06.10)
書評ガリレオ最新刊は2冊分のボリューム──シリーズの変遷が垣間見える短篇集(2015.03.24)
書評担当編集者が語るガリレオ短編の最高峰(2012.10.12)
書評改稿によって立体的に見えてきた──東野圭吾「ガリレオ」シリーズの特色(2015.06.11)
書評シリーズ初の全作書き下ろし(2012.10.29)